2024.12.24

「再会はパリのアトリエで」

皆さんこんにちは。リノベーションも得意な不動産会社、株式会社しあわせな家 代表取締役の山田篤です。毎年恒例の年末コラムを書きました。

【過去の年末コラム】
2009年「不動産営業のあるべき姿
2010年「私の役割
2011年「職人の肌感覚
2012年「結論は人間力と3.3倍
2013年「NZの中古住宅売買から学ぶこと
2014年「住まいの幸福度、世界一を目指す!
2015年「中古住宅購入の注意点
2016年「短く!わかりやすく!解説する。リフォームとリノベーションの違い。
2017年「AI時代を見据えた、マイホーム購入成功のカギ
2018年「カリフォルニアの中古住宅売買から学ぶこと
2019年「しあわせな家ってどんな家?」
2020年「中学生に語る、私の仕事
2021年「家を買おうと思ったら、一番に読んで欲しい住宅ローンの話
2022年「潮目が変わった今、自宅をどう売却するか?
2023年「古代と未来の都市に触れ、初心に帰る。~エジプト・ドバイを訪れて~

今年のタイトルは

「再会はパリのアトリエで」

なんともキザで恥ずかしいタイトルですが、何とこれは、リアルに私の身に起きたことなんです。まさかこんなドラマのタイトルみたいなことが人生の中で起きるなんて夢にも思っていなかったのですが、実際に起きてしまいましたので、恥ずかしながらそのままタイトルにすることにします。

まずはそのパリのアトリエの写真から。

何か底知れぬパワーを感じるのは私だけでしょうか。

202412月、私は人生初、フランスの地に降り立ちました。ヨーロッパはイギリス、ドイツ、イタリア、スイスには行ったことがありますが、なぜかフランスには縁がなく、自分の中で行きたい国ランキング1位になっていたので、ようやく願いが叶いました。コートダジュール、プロヴァンス地方からノルマンディまで駆け足で縦断したのですが、旅の締めくくりはパリの街での2日間でした。

(立ち寄ったモンサンミッシェル)

ここで少し昔話になります。
まだ会社員の頃、2006年に表彰旅行でイタリア、ミラノサローネに行きました。今年、弊社の技術営業6人も視察に行ったところです。(6人のレポートはコチラ)私はその表彰旅行の横浜代表だったのですが、東京、名古屋、大阪、福岡などから10名以上が参加していました。

イタリアに連れて行ってもらえるくらいなので、ご想像の通り、普通の営業マンみたいな人は一人もおらず、個性豊かなメンバーが揃っていました。その中でもひと際輝いていたのが大阪から来ていた小川さんでした。

彼を見て営業マンだと思う人は一人も居ないだろうなという感じで、素敵で、ちょっと尖ったデザイナーという雰囲気の小川さん。「俺に家づくりを任せてくれれば最高にカッコイイ家を造ります!」というオーラがめちゃめちゃ出ていました。

実際に話を聞くと、小川さんが担当する家は素敵な家ばかりで、本当に積水ハウス?というものがほとんどだそうです。お客様からの評判もスゴイようで、小川さんがお客様に最初に提出したラフプランを、まるで有名人にもらったサインのように飾っている人がいるそうです。

そんな小川さんとミラノサローネをご一緒したわけですが、トークの内容やその存在を肌で感じ、すっかり憧れの先輩になっていました。しかし、それから2年程で私は起業をしてしまったので、繋がりがなくなってしまいました。

それから何年か経ち、たまたまfacebookで小川さんをみつけました。思い切って友達申請をすると快諾してもらえ、少しメッセージのやりとりをすることができました。どうやら小川さんも会社を辞めて、独立をされたようです。独立といっても私のようにこれまでと同じような仕事をするのではなく、アーティストになるそうです。小川さんならきっとスゴイことをされるのではないか!今後が楽しみだなと思ったことを鮮明に覚えています。

さらに月日が流れ、小川さんがパリに移住したことをfacebookで知りました。さらに、フェンディなどのハイブランドとコラボしたり、NHK1時間番組に密着取材をされたりと、大活躍の話がたくさん聞こえてきました。やっぱり小川さんは半端ない、本当にスゴイ人だ!いつかお会いできたら嬉しいな、そんな想いが日に日に強くなっていきました。

(小川さんのfacebookより)

とは言え、ちょっとビッグになり過ぎなので「会いたいです!」というのも憚られるくらいです。妻や娘に相談すると「絶対無理~!」と一掃されましたが、せっかくパリに行くことにしたので、勇気をもってメッセージを入れてみることにしました。

すると、すぐに返信があり、私のフリータイムの都合には合わなかったのですが、その前日の夜に時間をつくってもらえることになりました。

「再会はパリのアトリエで」

全く想像していなかったことが現実になりました。

19時過ぎ、パリの街はすっかり日が暮れていましたが、そんな中、フランスで初めて乗るタクシーで小川さんのアトリエに向かいました。当然フランス語は話せませんが、スマホのお陰で何とかなります。パリでは日常である渋滞の中30分ほど走ると、目的地に到着しました。よくわからないまま多めにお金を支払うと、それまで全く不愛想だった運転手が何回もメルシーと笑顔で言ったので、きっとチップを渡し過ぎたのでしょう。

インターフォンを押すときのあの高揚感は、今もなお忘れることができません。まさかの再会の瞬間です。3つあるボタンの一番下を押すと、30秒ほどしてドアが開きました。そこには、あの頃と全く雰囲気が変わらない小川さんが居て、何の違和感もなく普通に私をアトリエに通してくれました。

初めて見るパリのアトリエ。天井が4m以上もある、大きな空間です。聞くと、ここは住宅としても、オフィスとしても利用できる建物で、住み手が自由に改築できるそうです。治安が決してイイとは言えないパリなんで、外からは閉ざしていますが、中庭に向かって大きな窓があり、開放的な空間が広がります。

(アトリエの中)

テーブルにはカッコイイシャンパンとオシャレなおつまみが用意されていました。挨拶程度の話を終えると、小川さんがアトリエ内に鳴り響く音楽のボリュームを少し下げます。すると、外から奥様が入ってきて、3人で乾杯となりました。

それから一時間ほど、いろんな話をしました。昔話から今の暮らしまで。ひと言ひと言に重みがあります。想像通り、奥様の会話もとても素敵です。やはり、実力だけでなく、努力しているからこそ訪れる「運」も、小川さんにはあるようです。

話をしながら、飾ってある作品だけでなく、描いたばかりでまだペンキが乾ききっていない作品まで見せてもらいました。そのタイミングで胸に秘めていた言葉を伝えてみました。

「小川さんの作品を会社に飾りたいので売ってもらえませんか?」

小川さんの作品が一体いくらなのか知らなかったので、恐る恐る、かつ、少し酔った勢いを借りて。すると、かなり無理をしてもらった感じはありますが、気持ち良く話が進み、既存の作品ではなく、弊社のために作品を描いてくれることになりました。おもいきって言って良かった!

その後は、アトリエ隣の住居に移動し、パリの美味しい食べ物と、美味しいお酒をたくさんいただきました。気付けば23時を過ぎており、翌日から個展でシンガポールに向かうというのに、こんな時間まで付き合ってくれました。パリという異国の地で、さらにこんな素敵な空間の中で、自分の才能だけを頼りに生きていくなんて、本当にカッコイイ!心から尊敬してしまいました。

(小川さんと私)

小川さんの言葉の中で印象的だったものを紹介します。

「日本での活動は窮屈だった。やれ、どこの美大を出ているのか?どの先生についていたのか?など、いつも過去の話からはじまる。いっぽう、パリは全く違う。今、何をしているのか?これからどんなことをしたいのか?パリはアーティストに優しく、アーティストにとって最高の街だ。」

まさに、おっしゃる通り。私もついつい過去の話で人を判断したり、過去の話をたくさんしてしまうような、典型的な日本人のオジサンになっていやしないか。自分や会社の現在と未来を明確に語ることができるのか。

そこで、あらためてここに記すことで、自分の意志を明確にしようと思います。

今、何をしているのか?
⇒技術営業から中古住宅を買うという仕組みを整えている

これから何をしようとしているのか?
⇒技術営業から中古住宅を買うという文化を日本に根付かせる

(技術営業とは、建築士やリフォーム業経験者で、お客様の中古住宅購入の意志決定に、豊富な建物の知識でアドバイスをする営業担当を言います。詳しくはコチラ。)

小川さんとの時間の中で、また一歩、前に進むことができた気がします。最高に素敵で、最高にカッコイイ時間を本当に有難うございました。(小川貴一郎さんのホームページはコチラ

ホテルに帰りこの日の出来事を家族にLINEしたところ、私はとても興奮していたようで、いつもと熱量が全く違ったようです。締めの言葉が「本当にありがとう!」となっており、帰国後にめちゃめちゃ笑われました。いつもは「り」(=了解)とか、「よ」(=よろしく)、と一文字ばかりなのにねと(笑)

(締めのお酒)

今年は一年がいつもにも増してあっという間でした。お陰様で会社の業績は絶好調です。これは、技術営業ひとりひとりのスキルがドンドン高くなっており、皆さんにドンドン受け入れていただけるようになってきたからだと思っています。弊社に関わってくださる全ての皆様に御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。
2025
年も㈱しあわせな家を、どうぞ宜しくお願いいたします。

それでは最後にいつものフレーズを。
未来が楽しみで仕方ありません。
頑張ります!

202412月吉日 代表取締役 山田 篤

【筆者紹介】
山田篤 1971.5.24生 横浜市緑区出身 
1995
年積水ハウス㈱入社 新人賞をはじめ数々の優秀賞を受賞
これからは新築ではなく中古の時代になると確信し2008年㈱しあわせな家創業
4から大学まで野球部 妻・娘2人の4人家族 不動産・特に建物が大好物!
私の仕事がよくわかるコラム「中学生に語る、私の仕事」もご覧ください

年末コラムpart2「フランスの不動産会社をさらっと拝見」はコチラ

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