2025.06.14
中古マンションを買ってリノベーション。実際費用はいくらくらいかかるのか?
マンションを新築で買うのではなく、中古マンションを購入して、自分の好きな内装にリノベーションして住むというやり方も、だいぶ浸透してきたように思います。
マイホーム神話が廃れたあとも
2010年代くらいまではやっぱり新築戸建てか新築マンションが花形で、中古=金銭的に新築買うの厳しい人向け みたいな雰囲気は正直ありましたよね。
でもなんとなく日本人の判断基準が「普遍的な憧れや見栄 < 実利・生き方の多様性」になってきて、中古マンションリノベという選択肢が受け入れられてきたのではと思っています。
目次
1. | 結局、「中古買ってリノベ」って何が良いのか? |
2. | リノベ費用の相場 |
3. | リノベ会社の選び方 |
4. | まとめ |
1.結局、「中古買ってリノベ」って何が良いのか?
「実利」という考えで言うと、代表的なメリットは2つです。
・入居前の家具がない状態で行えるので、全体を一気に改装できる
新築マンションの場合は、カスタマイズできるといっても、セレクトプランとして用意されたものの中から床や建具の色を選んだり、オプションなどで必要な設備などを取り入れたりする程度です。
一方、中古マンションを買った上でのリノベーションであれば、内装も設備も自由度が高く、大抵の希望を叶えることができるので、自分好みの住まいに仕立てることができます。
・リノベーション費用も住宅ローンに組み入れて、低金利+長期間で借りられるため、リノベーション費用だけでローンを組むより、毎月の返済額を抑えられる
リノベーション費用は、通常の「リフォームローン」でまかなうことができます。
ただ、実は住宅ローンに一緒に組み入れる「一体型ローン」を活用することで、毎月の返済負担を抑えられるケースが多いのです。
リフォームローン単体だと、返済期間が10〜15年と短めで、金利も住宅ローンより高い(2〜4%など)ことが多く、月々の返済額が重くなりがちです。
一方、住宅ローンにリノベ費用を組み入れられる「一体型ローン」なら、35年など長期間で返済でき、金利も住宅ローン水準(1%前後)なので、月々の支払いはずっと軽くなります。
2.リノベ費用の相場
弊社は、「中古買ってリノベ」のサービスを展開しているので、自分たちに都合の良い情報だけをお伝えしたいところですが..
正直にいうと、2025年現在は、建材の値段や施工費用も高騰傾向にありますので、「思っていたよりは高かった」というケースもあります。
創業当初はいくつものリノベーション会社と提携し、会社が成長していく中では様々なリノベーションの課題にぶつかりながら、中古マンション購入とリノベーションをセットでサポートしてきた経験からお伝えしますと、
フルリノベーションを行うと、1㎡あたり20万円~が一般的です。
2025年5月時点の数字で、今後上がっていく可能性もあります。
フルリノベーションとは、既存の内装をすべて解体して、梁や境界壁(人間でいうと骨だけ)だけの状態にし、新たに内装を作っていくことです。
水回りの設備や、壁材・床材を新しくするのはもちろん、間取りの変更、給排水管の交換も行えますので、設備不良や漏水といったトラブルのリスクも減らすことができます。
20万円/㎡なので、単純計算だと40㎡で800万円、80㎡で1,600万円ですが、もちろんそう単純にはいかず..工事の内容や選ぶ設備のグレードによっても予算は大きく変わります。
2024年代に弊社が扱わせていただいた事例ですと、下記のような金額感でした。
㎡数 | 費用 | ㎡あたりの費用 |
50㎡ | 1,380万円 | 27.6万円 |
65㎡ | 1,550万円 | 23.8万円 |
75㎡ | 1,610万円 | 21.4万円 |
㎡数と費用が単純に比例しないことがわかると思います。
リノベーション費用を決定づける主な要素は
- 施工面積
- 使用する内装材や設備機器のグレード
- 間取り変更の有無
- 築年が古いか(築年の古い物件では、アスベスト調査費や除去費用、給排水管の更新工事が必要となることもある)
上記が挙げられるので、実際には単純に㎡数だけで費用を確定させることは難しいのです。
ただ、実績が豊富なリノベーション会社では、過去の施工事例に基づいた費用感を教えてくれますので、相談してみるとよいでしょう。
3.リノベーション会社の選び方
単純な金額比較が意味がない理由
相談した方が良いのはわかるけど、どの会社に相談したら良いの?というのが悩ましいポイントだと思います。
相見積もりをとって、安いところに相談する、ということもできますが、複数の商品、職人、専門家が関わるリノベーション工事では、そう単純にはいきません。
と言うのも、代表的な例ですが、リノベーション工事の見積もりは、以下のようにたくさんの項目で構成されています。
項目 | 説明 |
仮設工事 | 工事を進めるために、足場の設置や養生シートの取り付けを行う。 |
解体工事 | 既存の内装や設備を撤去し、リノベーションの準備を行う。 |
造作工事 | 壁の下地や間仕切りの作成、カウンターなどの大工仕事を行う。 |
建具工事 | 扉や窓枠など、開口部に建具を取り付ける工事を行う。 |
衛生設備機器 | トイレや洗面台、キッチンシンクなどの衛生設備機器の設置を行う。 |
給排水衛生設備工事 | 給排水管の新設や交換、配管工事を行う。 |
ガス設備工事 | ガス管の配管やガス機器の設置工事を行う。 |
電気設備工事 | 照明やコンセント、電源スイッチなどの電気配線工事を行う。 |
内装工事 | クロス張りや床仕上げ、塗装などの仕上げ工事を行う。 |
諸経費 | 設計費や現場管理費、申請費用などの間接費を計上する。 |
これらの項目ごとに、更に詳細な項目があり、品番や数量、金額が記載されています。
関わる職人も、項目ごとに異なり、取引しているメーカーや職人によっても違いが出るため、金額は変わってきます。
ですので、単純に金額だけで高いのか安いのかを比較すると、見積りに入っている物のグレードに違いがあったり、そもそも見積りに入れるべき物が入っていなかったりすることもあり、あまり意味がないというのが実情です。
結局は「人」で選ぼう
金額面で比較ができない以上、
結局、人で選んだ方が良いよね というのが結論です。
リノベーションは、工事開始から完成まで2ヵ月以上に及ぶこともあり、打ち合わせ期間も含めると、リノベーション会社とは長い付き合いになります。
分かりやすくご説明するために、このような表現をしましたが、何の根拠もなくふわっと決めましょうという話ではなく、具体的には二つの観点で判断をしましょうというご提案です。
・内装デザインについて感性が合う
素人であるお客さんがうまく言語化できない「こういうのがいい」というものを、プロである業者が形にしていくというのが打ち合わせの目的になりますが
「こういうのがいい」の感覚がずれていたら、どうしてもお客さん側に言語化の精度を求めざるを得なくなってしまいますよね。
・「話せる技術屋」かどうか
「この人、知識はあるんだろうけど専門用語多すぎて何言っているかわからないんだよな..」(知識偏重)
「それっぽいこと言っているんだけど、深堀りすると中身スカスカなんだよな..」(コミュニケーション偏重)
という担当者、たまにいると思います。
知識偏重、コミュニケーション偏重ではやはり良いリノベはできなくて、
豊富な知識がありつつも、それを素人であるお客様にわかりやすく伝えられたり、意図を汲める、「コミュニケーション能力の高い建築オタク」を選んだ方が良いです。
弊社では、この人材のことを「技術営業」と呼んでいます。詳しくはこちらの記事をご確認ください。
4.まとめ
最後に、この記事でお伝えしていることをまとめておきます。
中古を買ってリノベに興味はあるものの、業者や会社が多くて何を基準にして選べばいいのか分からないという方も多いのではないでしょうか?
下記のポイントを、ぜひ参考にしてみてください。
- 中古マンションを買ってリノベは、自由度の高い内装作りができ、低金利ローンを活用できるのが魅力。
- 設備グレードや築年数によって金額は変わるが㎡あたり20万円前後が相場
- ただ、項目が複雑で単純な金額比較がしづらいため、担当者のスキルや相性が重要。結果として、「この人に任せたい」と思えるパートナー選びをすべき
しあわせな家では、良いリノベーションをできたお客様の施工事例を多数ご紹介しておりますので、ぜひご覧ください!