2024.06.12
再建築不可物件のリノベーションは可能?メリット・デメリットも解説
こんにちは!中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の山田です。
中古住宅を購入してリノベーションしようとさまざまな物件を見ていると、「再建築不可物件」という言葉を目にしたことがある方もいるかもしれません。
再建築不可物件は、工事の内容によってはリノベーションができない場合もあるため、注意が必要です。
そこで今回は、再建築不可物件のリノベーションについてお話ししていきます。
リノベーションができる条件や、リノベーションするメリット・デメリット、注意点などもご紹介しますので、ぜひチェックしてくださいね!
再建築不可物件とは?リノベーションはできる?
再建築不可物件とは、現在建っている家を解体して更地にしてしまうと、新しく家を建てられない物件のことをいいます。
そのため、再建築不可物件は、家の解体が必要な建て替えはできません。
これは、その物件が接道義務を満たしていない物件のため、このような条件がついています。
接道義務とは、物件が「幅員4m以上の道路に2m以上接していないといけない」というもの。
災害が起こった際に、消防車や救急車などの緊急車両が入ってスムーズに救助活動ができるよう、建築基準法により定められています。
再建築不可物件でリノベーションができる条件
再建築不可物件は建て替えをすることはできませんが、条件を満たしたリノベーションやリフォームであれば工事が可能です。
その条件とは、建築確認申請が必要ない工事であるということ。
建築確認申請とは、新築工事やリノベーション工事などを着手する前に、確認検査機関などに申請して、建築基準法や条例に適合しているか確認を受けることをいいます。
しかし、再建築不可物件は建築基準法に適合していないため、建築確認申請を行なっても承認が下りず、工事を行うことはできません。
リノベーション工事で建築確認申請が必要な工事は、下記のケースです。
- 主要構造部(壁・柱・床・梁・屋根・階段)の1種以上を、1/2超にわたり修繕・模様替えする場合
- 増改築する場合
- 同一敷地内で移転する場合
上記のケースに当てはまらないリノベーション工事であれば建築確認申請が不要のため、再建築不可物件でもリノベーションが可能です。
例えば、柱と梁を残してスケルトンリノベーションをしたり、柱と梁を全体の1/2まで取り替えたりする工事などが該当しますよ。
また、2階建て以下かつ床面積が500㎡以下の木造住宅であれば、リノベーションする際の建築確認申請は不要ですので、大規模なリノベーション工事が可能です。
一般的な木造戸建て住宅であれば、床面積500㎡以下に収まることがほとんどなので、3階建て以上でない限りは、リノベーション可能なケースが多いでしょう。
再建築不可物件をリノベーションするメリット・デメリット
再建築不可物件を選んでリノベーションするには、メリットとデメリットがあります。
詳しく見ていきましょう。
再建築不可物件をリノベーションするメリット
再建築不可物件をリノベーションするメリットは次のとおりです。
- 安く購入できる傾向にある
- 固定資産税が安い
再建築不可物件は建て替えができなかったり、リノベーションにあたって条件があったりするため、安い価格で購入できる傾向があります。
都心などアクセスが良いエリアの物件を格安で購入できるのは、大きなメリットでしょう。
また、再建築不可物件は資産価値が低いと見なされているため、固定資産税も安いです。
さらに、不動産取得税や登録免許税、相続税など、物件保有に関する税金も抑えることができますよ。
中古住宅の選び方のポイントについては下記コラムでご紹介していますので、あわせてご覧ください。
中古住宅の選び方は?見るべきポイントやメリットデメリットをチェック
再建築不可物件をリノベーションするデメリット
再建築不可物件をリノベーションするデメリットは次のとおりです。
- 売却が難しい
- 住宅ローンの利用が難しい
- リノベーション工事費用が高い傾向にある
再建築不可物件は資産価値が低いため、リノベーションをしていずれ売却しようと思っても、なかなか売れない可能性があります。
売却できたとしても、希望の金額より下回ってしまう可能性があります。
また、再建築不可物件は担保にならないため、住宅ローンの審査が通らないケースがあります。
住宅ローンは利用できないと思っておいたほうが良いでしょう。
さらに、再建築不可物件は安く購入できるメリットがありますが、リノベーション工事費用は通常よりも高くなる傾向にあります。
これは、道幅が狭く工事車両が入れないため運搬費用が多くかかったり、耐震補強が必要だったりするためです。
再建築不可物件をリノベーションする際の注意点
再建築不可物件をリノベーションする際は、接道していないため工事車両が入らない可能性があることを覚えておきましょう。
前述のとおり、大型の工事車両が入れないと、小さな工事車両や手作業で搬入搬出を使うため工期が延びる、運搬費用が増える可能性があります。
また、再建築不可物件は旧耐震基準で建てられた古い建物であるケースが多く、耐震性が低い可能性も。
再建築不可物件は、万が一地震で倒壊しても建て替えことはできないため、リノベーション工事の際は耐震補強が必要な可能性が高いです。
再建築不可物件をリノベーションする前に、必ずリノベーション会社に工事が可能かどうか確認することが大切です。
再建築不可物件でも条件を満たせばリノベショーンは可能!
再建築不可物件とは、接道義務を満たしていないため、現在建っている家を解体して更地にしてしまうと、新しく家を建てられない物件のこと。
再建築不可物件は建て替えをすることはできませんが、建築確認申請が必要ない工事であれば、リノベーションやリフォームが可能です。
再建築不可物件を選んでリノベーションするには、メリットとデメリットがあります。
<再建築不可物件をリノベーションするメリット>
- 安く購入できる傾向にある
- 固定資産税が安い
<再建築不可物件をリノベーションするデメリット>
- 売却が難しい
- 住宅ローンの利用が難しい
- リノベーション工事費用が高い傾向にある
再建築不可物件をリノベーションする際は、接道していないため工事車両が入らない可能性があります。
また、そもそも建物が古く耐震性が低い可能性があるため、耐震補強工事が必要になるなど、いくつか注意点があることも覚えておきましょう。
ですが、良い立地の物件を安価で購入できたり、維持費が安く抑えられたりとメリットも大きいです。
リノベーション会社と相談しながら購入を検討しましょう。