2023.12.24
古代と未来の都市に触れ、初心に帰る。~エジプト・ドバイを訪れて~
皆さんこんにちは。リノベーションも得意な不動産会社、株式会社しあわせな家 代表取締役の山田篤です。毎年恒例の年末コラムを書きました。
【過去の年末コラム】
2009年「不動産営業のあるべき姿」
2010年「私の役割」
2011年「職人の肌感覚」
2012年「結論は人間力と3.3倍」
2013年「NZの中古住宅売買から学ぶこと」
2014年「住まいの幸福度、世界一を目指す!」
2015年「中古住宅購入の注意点」
2016年「短く!わかりやすく!解説する。リフォームとリノベーションの違い。」
2017年「AI時代を見据えた、マイホーム購入成功のカギ」
2018年「カリフォルニアの中古住宅売買から学ぶこと」
2019年「しあわせな家ってどんな家?」
2020年「中学生に語る、私の仕事」
2021年「家を買おうと思ったら、一番に読んで欲しい住宅ローンの話」
2022年「潮目が変わった今、自宅をどう売却するか?」
今年のタイトルは
「古代と未来の都市に触れ、初心に帰る。~エジプト・ドバイを訪れて~」
11月中旬、猛烈な暑さから解放された、日本よりも少し暖かいエジプト・ドバイに行って来ました。4000年以上も前の建造物のある都市と、金に糸目を付けずに様々な世界一の建造物を造り続けている都市。対照的な2つの都市に触れ、あらためて自分の仕事やデザインについて考えさせられ、初心に帰ることができましたので、今年の年末コラムのテーマにします。
【撮影した写真】
まずは2つの都市で撮影した写真の紹介です。
エジプト カイロ&ギザ
夜中にホテルに着いたので気が付かなかったのですが、朝起きて窓の外を見てビックリ。砂漠の中に居ました。
ギザの3大ピラミッド築4500年!
ピラミッドを数段登ったところからてっぺんに向けて撮影。
クフ王のピラミッド内部。
ポルシェ911のようにお尻が大きい?スフィンクスの後ろ姿。
カイロの民家。よく見ると洗濯物がかかっているお部屋とサッシまで取り外したスケルトンのお部屋があります。エジプト人は内装にコダワリ(かなり個性的)がある人が多く、スケルトン販売が基本のようです。
建物の上部に鉄筋が露出しています。二世帯、三世帯住宅が基本で、子どもが結婚した時のために増築できるようにしているそうです。上に増築って日本では難しいですが、地震が無い国だからこそでしょう。ちなみに豚肉を食べないイスラム教の人々ですが、ハトが大好物のようで屋上にハト小屋のある家がたくさんありました。
続いてドバイ。様々な世界一を。
世界一高いビル「ブルジェハリファ」828mの昼と夜。
世界一大きな額縁「ドバイフレーム」
世界一大きなシャンデリア アブダビ「シェイクザイードグランドモスク」
世界一美しい(と言われている)建造物「ドバイ未来博物館」
空中にマグロが泳いでいる、建物内に柱が1本も無い空間。
世界一美しい(と言われている)「スタバ」
かの有名なヤシの木のカタチをした人工島「パームジュメイラ」の街並み
昔ながらのドバイの街並み。
ドバイの人口は360万人ほどですが、そのうち、地元の人は約8%しか居ないそうです。地元の人は結婚すると国から家とお金をもらえるとのこと、それも日本のような家ではなく200㎡も300㎡もある家を。お金持ちの国の政策ってこういうのもあるんですね。
なお、イスラム教徒は一夫多妻OK、4人まで結婚できるそうですが、守らなければいけないルールは各奥様に「平等」。1人の奥様と家を持ったら、同じように他の奥様とも家を持たなければいけないそうです。4人奥様が居たら4軒の家を持つ。スゴイ国です。。。
写真の紹介はこの辺までとして、ここから本題に入っていきます。
【居心地の良い空間を考える】
私達、株式会社しあわせな家の仕事は、お客様の「しあわせな家」をつくることです。
株式会社しあわせな家では、お客様の「しあわせな家」をこう定義しています。
「お金に無理をしないで手にする、居心地の良い住まい。」
「お金に無理をしない」の部分の説明は、先日撮影した動画をご覧いただければと思いますが、「居心地の良い」について、2つの都市に触れてあらためて考えさせられました。「居心地の良い」は人それぞれ、先程ご紹介した動画の中で私はこう話しています。
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綺麗なお部屋であればOKという方、
家事動線を最短にしたいという方、
手や足に触れるものは全て本物が良いという方、
好きな色に囲まれていたいという方。
居心地の良さは人それぞれですね。これらはリノベ―ションをすることで手にすることができます。また、居心地の良さは広い意味で「ストレスフリー」とも考えていまして、通勤や通学、買い物などの利便性のストレスが少ないこともこれに含まれると考えています。
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十人十色、様々な居心地の良さがあると思いますが、その中にも基本となる、多くの方に共通するベースとなるモノがあるのではないか?居心地の良い住まいのそれは何か?
ピラミッドのような空間?ドバイの世界一のような空間?
ピラミッドを見た人の多くは「美しい」と感じるのではないでしょうか。
ドバイの世界一を見た人の多くは「カッコイイ」と感じるのではないでしょうか。
「美しい」と「カッコイイ」。
では、住まいにおいて「美しい空間」と「カッコイイ空間」とは、具体的にどう違うのでしょうか?
【研修資料のご紹介】
ここでひとつご紹介したいものがあります。弊社の技術営業の一人が大手リフォーム会社に入社したばかりの頃、研修で上司から教わった資料を共有してくれました。そこにはこう書かれています。
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テーマ「線を減らすための限りなき挑戦」
住宅の内装デザインは服のように簡単に着替えることはできません。飽きのこないスッキリとしたものでなくてはなりません。また、落ち着きや安らぎを感じる空間でなくてはなりません。
そのためのポイントは2つ
1 色を減らすこと
2 線を減らすこと
これは簡単な部分もあれば、1本の線を無くすために見えない工夫や、大変な手間をかけているものもあります。いかに線を減らせたかで、スッキリした中に、心地良い緊張感を感じ、空間の完成度が高まります。
そのための心得は3つ
1 一見不可能なことでも決して諦めない。妥協しない。
2 こだわったから強度、耐久性、機能性が落ちたとは認められない。
3 コストがかかることなので、そこまでを望まないお客様には無理に勧めない。
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【居心地の良い住まいのベースとなる空間とは】
表現は違えど、私も同じように考えています。
「揃うべきところはしっかりと揃え、ズレるべきところはしっかりとズラす。見えない方がよいものは見えないようにし、見えるべきものをしっかりと見えるようにする」
例えば、リビングのリノベーションを考えるときは、リビングの中でソファに座る高さに目線を落とし、見えない方がよいものをどうやって見えなくするか。ココとココが揃うとイイ。逆にココはもっと離した方がイイ。ソファはこっち側に置いた方が空が広いから、家具配置はこうがイイ。そうするとこれはココにあった方がイイ。
こんな風に考えています。色と線を減らす話と共通点が多いですね。
ここで話を「美しい空間」と「カッコイイ空間」に戻します。結論を申し上げると、
私が考える「美しい空間」とは、
色と線を減らした空間。普遍的で飽きのこない、スッキリとした空間。
私が考える「カッコイイ空間」とは、
何か主張のある空間。今はカッコ良くても永遠にはそうではないかもしれない、個別性の強い空間。
私達が「しあわせな家」=「居心地の良い住まい」をデザインするときには、まずは「美しい空間」をベースにする。お客様のご要望が「カッコイイ空間」のときにも、「美しい空間」をベースに「カッコイイ」を考える。決して「美しい」をないがしろにしてはいけない。「居心地の良い住まい」のベースになるのは「美しい空間」である。
エジプト・ドバイを訪れて、あらためて初心に帰ることができました。これらをもう一度スタッフと共有し、会社の文化として定着させようと思います。
今年は会社が15周年を迎え、業務の大改革を行いました。お陰様で私が想い描いていた以上の手応えを感じており、次のステージに向けて確実に体制が整ってきました。来年以降の株式会社しあわせな家にどうぞご期待ください。
それでは最後にいつものフレーズを。
未来が楽しみで仕方ありません。
頑張ります!
令和5年12月吉日 代表取締役 山田 篤
【筆者紹介】
山田篤 1971.5.24生 横浜市緑区出身 1995年積水ハウス㈱入社 新人賞をはじめ数々の優秀賞を受賞
これからは新築ではなく中古の時代になると確信し2008年㈱しあわせな家創業
小4から大学まで野球部 妻・娘2人の4人家族 不動産・特に建物が大好きです!
私の仕事がよくわかるコラム「中学生に語る、私の仕事」もご覧ください