2021.05.26
リノベーションで二世帯住宅に!間取りや費用、減税・補助金制度も解説
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の高田です。
親世帯と子世帯が、家事や子育てを協力しながら暮らす二世帯住宅。
核家族が増えている現代ですが、ライフスタイルの変化や共働き家庭の増加などから改めて二世帯住宅を検討する方も増えているようです。
今回はリノベーションで二世帯住宅を検討している方へ、二世帯住宅の基礎知識をご紹介!
二世帯住宅の間取りの種類や、リノベーション内容別の費用目安、二世帯住宅へのリノベーション工事で活用できる補助金や減税制度などを解説します。
二世帯住宅のリノベーション、どんな間取りタイプがある?
親と子の二世帯、三世代が一緒に暮らす二世帯住宅。
ひとことで二世帯住宅といっても、間取りのタイプは主に3種類に分かれます。
それぞれの特徴とメリット・デメリットをご紹介しますので、ぜひ選ぶ際の参考にしてくださいね!
完全同居タイプ
玄関からリビング、ダイニング、キッチン、お風呂、トイレまで、基本的な生活空間を全員で共有して暮らすタイプの二世帯住宅です。
夫婦の寝室や親世帯の寝室、子どもの個室といった居室はありますが、それ以外のスペースは共有で、文字通りひとつ屋根の下での暮らしとなります。
メリット
共有スペースが多いので顔を合わせる時間が長く、コミュニケーションがとりやすいことがメリットです。
家事や子育てを協力しながら、大家族で賑やかに暮らせます。
3つのタイプの中ではリノベーション費用を一番抑えることができ、光熱費の削減にもつながります。
デメリット
親世帯・子世帯それぞれのプライバシーを守りにくいのがデメリットです。
生活時間やライフスタイルが違うとお互いストレスになってしまう可能性があります。
完全分離タイプ
一棟の建物の中でもリビングやキッチン、トイレ、お風呂などを世帯ごとに専用スペースを造り、生活空間を一切共有しないタイプです。
隣同士に壁を隔てて分ける左右分離タイプ、1階と2階など階層で分ける上限分離タイプがあります。
メリット
生活空間が完全に分かれているのでお互いに与える影響が少なく、それぞれのプライバシーを守りやすいのがメリット。
それでいて「ひとつ屋根の下」でもあるので、何かあったときにはすぐに行き来することができます。
デメリット
すべての設備や居室を2世帯分ずつ設置するので、広い敷地が必要です。
限られた敷地の中で完全分離タイプの住宅を建てると、それぞれの生活スペースが狭くなってしまう可能性があります。
リノベーション費用や光熱費も高くなりがちです。
一部同居タイプ
水回り設備や一部の生活スペースを共有するタイプの二世帯住宅です。
たとえば、キッチンとリビングはそれぞれにしてお風呂は共有、リビングやお風呂は分けるがダイニングは共有にするなど、家庭のライフスタイルに合わせたスタイルがあります。
メリット
完全共有タイプと完全分離タイプのいいとこどりのスタイルです。
ライフスタイルに合わせて共有・専有のスペースを造りつつ、共有部分が増えるほどリノベーションの費用を抑えることができます。
デメリット
共有部分が増えるほどお互いのプライバシーを守ることが難しくなります。
また、一般的にトイレやお風呂などの水回りを共有にすることが多いですが、水回りは個人によって使用スタイルや衛生観念が異なるため、トラブルになりやすい場所でもあります。
二世帯住宅へのリノベーション費用、目安はどのくらい?
二世帯住宅へのリノベーション費用は、リノベーション工事の内容や範囲によって大きな差があります。
同じ建物に対してのリノベーションなら、共有のまま使える設備や居室が多いほど費用を抑えやすい傾向に。
世帯ごとの専用設備やスペースが多いほど、工事内容や工事範囲が増えるため、リノベーション費用が高くなってしまうでしょう。
リノベーション費用の目安について、一例をご紹介します。
~500万円程度:完全同居タイプへのリノベーション
設備を増やすことなく、完全同居型で快適性を上げるためのリノベーション工事。
玄関を広くする、リビングダイニングを一新する、親世帯専用のミニキッチンを増設するといった工事の目安となります。
500万円~1,000万円程度:一部同居タイプへのリノベーション
一部同居タイプの二世帯住宅にリノベーションするために、いくつかの設備を新設したり間取り変更をしたりするには、この程度の費用がかかると考えていいでしょう。
例えば、個室を増やすための増築工事、大規模な間取り変更、キッチンや水回りを増設などです。
1,000万円~:完全分離タイプへのリノベーション
完全分離タイプの二世帯住宅にするには間取りを大きく変更したり、水回りやキッチン設備を追加したりといった、大がかりなリノベーション工事が必要となります。
間取りを大きく変更して居室を追加、キッチン、トイレ、お風呂、寝室を増設、それにともなう給排水・電気設備工事などを行うには、1,000万円以上かかってしまうことが多いでしょう。
二世帯住宅へリノベーションする際に使える補助金や減税制度
二世帯住宅へリノベーションする際、一定の条件を満たした工事の場合には補助金制度や減税制度の対象となるケースがあります。
少しでもお得にリノベーションできるなら良いですよね。
どんな制度があるのか簡単に紹介しますので、ぜひチェックしてみましょう。
【補助金】長期優良住宅化リフォーム推進事業
住宅性能を向上させる一定のリフォームに対して補助金を受けられる制度です。
耐震性アップや省エネルギー住宅へのリフォームなど対象のリフォームを行った場合に、内容によって100万円・200万円・250万円を上限として補助金が受けられます。
対象工事に加えて、二世帯住宅へのリフォーム(内容等条件あり)を行うと、上限50万円の加算が付きます。
※補助を受けるには指定の業者にてリフォーム工事を請け、業者を通して申請する必要があります。
【補助金】地域型住宅グリーン化事業
省エネルギー性能や耐久性に優れた木造住宅の整備に対する補助金事業です。
補助対象となる工事はいくつかありますが、その中でも上限140万円での補助金を受けられえる「ゼロエネ住宅型」の要件を満たし、そのうえで二世帯住宅へのリフォーム(内容等条件あり)も同時に行うと上限30万円の加算が付きます。
【減税制度】リフォームローン控除
リフォームローンを利用して要件を満たした二世帯住宅リフォームを行った場合、所得税の控除を受けられる制度です(条件あり)。
年末のローン残高を上限に、工事費用の2%(または1%。ともに上限あり)が5年間所得税から控除されます。
【減税制度】投資型減税
ローンを利用せず貯蓄などの自己資金で要件を満たした二世帯住宅リフォームを行った場合に所得税の控除を受けられる制度です(条件あり)。
工事費用の10%(上限25万円)が所得税から1回控除されます。
減税制度を利用するにはリフォーム工事を行い、入居をした次の年の2~3月に確定申告が必要です。
また、自治体ごとに二世帯住宅へのリフォームに対して独自の補助金制度を設けている場合もあるので、ぜひお住まいの自治体のホームページをチェックしてみましょう。
二世帯住宅へのリノベーション、間取りや費用・補助金を知ろう
親世帯と子世帯の二世帯、三世代が同じ屋根の下で暮らす二世帯住宅。
共働き家庭の増加や親の高齢化などから検討される方も増えているようです。
共有スペースの多さによって完全同居タイプ、一部同居タイプ、完全別居タイプの3つの間取りに大別されます。
共有部分が多いほど費用は抑えられますが、プライバシーを守りづらくなります。
お互いのライフスタイルや考え方に合わせて、間取りを考えてみましょう。
二世帯住宅へリノベーションする際、一定の条件を満たす工事について補助金が受け取れるケースがあります。
所得税の減税制度もありますので、ぜひチェックしてみましょう。