2021.08.11
リノベーションでできること・できないことは?戸建てとマンションで確認!
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の高田です。
希望を反映して理想の家づくりができるのがリノベーションのメリット!
ただし、条件によってできること・できないことがあります。
今回は住宅を戸建てとマンションに分けて、リノベーションでできること・できないことを解説します。
リノベーションでできる範囲を知って、希望のプランを考えてみましょう!
リノベーションでできること・できないことをチェック
リノベーションでは住まいを希望に合わせてつくり替えることができますが、無条件で何でもできるわけではありません。
戸建てとマンションでそれぞれ、できること・できないことをご紹介します。
戸建てのリノベーションでできること
基本的に持ち家の戸建てなら、外装、内装、間取り、設備、配管など、ほとんどすべての場所を自由にリノベーションできます。
間取り
間取りは自由に変更が可能です。
ただし、耐震性や構造に影響する柱や壁を抜く変更はできません。
内装
壁紙の変更、壁の塗り替え、床材の変更など自由に変更が可能です。
外壁・屋根
塗装の塗り替え、外壁材・屋根材の張り替え、重ね張りなど。
防火地域・準防火地域では使用できる素材が限定されている場合があります。
天井
天井の仕上げ材やクロスの変更、高さの変更のほか、勾配天井や吹き抜けをつくることも可能です。
水回り設備
キッチン設備、トイレ、お風呂など水回り設備の交換、増設、移動などができます。
窓、ドア
窓ガラスや窓サッシの交換、内窓の設置、耐震性に影響しない壁への窓の増設・拡大、ドアの塗装や交換なども可能です。
断熱工事、耐震補強工事
断熱材を足す、耐震合板や筋合いを足すなど。
必要に応じて行えます。
増改築
建築基準法の制限内での増改築は可能です。
たとえば2階建てを平屋にする、屋根裏を利用して収納スペースを作るなどです。
戸建てのリノベーションでできないこと
柱や壁の中には、建物の構造を支える役割を持つものがあり、それらを取りのぞくような間取りの変更はできません。
また、建築基準法の制限を超える増改築もNG。
具体的には以下のような制限があります。
- 建ぺい率:敷地面積に対する建築面積の割合
- 容積率:敷地面積に対する延べ床面積の割合
- 斜線制限:周辺の日照確保のために建物の高さを制限
これらの制限を超える増改築はできないので、2階建てを3階建てにする、敷地ギリギリまで建物を広げるといったことはできないことがほとんどです。
マンションのリノベーションでできること
マンションのリノベーションでは、基本的に所有する室内の「専有部分」のみリノベーションが可能です。
具体的には以下のようなものです。
間取り
構造に影響のない壁や柱を取りのぞく、追加することでの間取りの変更は可能です。
戸建てと同様、構造に影響する壁や柱の撤去はできません。
内装
壁紙や床材、天井仕上げなどは専有部分なのでリノベーションが可能です。
クロスの張り替え、塗装、素材の変更などができます。
天井
2重天井で仕上げてある場合は、下の仕上げ材を抜くことで天井を高くすることができます。
窓
窓や窓サッシは共用部分のためリノベーションはできませんが、内窓を付けることは可能です。
水回り設備
キッチン、トイレ、お風呂といった水回り設備を新しいものに交換することができます。
また、室内に出ている給排水管を新しいものに交換することも可能です。
断熱工事、耐震工事
壁や天井の仕上げ材と構造の間に断熱材や耐震合板を足すなどの工事は可能です。
マンションのリノベーションでできないこと
自分が所有している部屋でも建物の骨組みとなる構造部分、バルコニー、窓、玄関ドアなどは共用部分のため、リノベーションはできません。
水回り設備の場所を大きく移動させることも、難しいでしょう。
構造に影響する柱や壁が抜けないのはもちろん、玄関ドアや窓の交換、ベランダの塗装などはNG。
ただし、玄関のカギの交換はOKです。
また、マンションでは管理規約でリノベーションの範囲を制限している場合があります。
たとえば床は専有部分ですが、防音性確保のためなどで使用できる床材を制限しているケースも。
マンションでのリノベーションでは、まず管理規約を必ず確認しましょう。
リノベーション前にしておくべきことも確認!
思い通りのリノベーションをするためにも、事前準備は大切。
ぜひリノベーション前にしておいてほしいのは「ホームインスペクション」です。
ホームインスペクションとは、住宅診断士の資格を持った専門家が第三者的な立場から住宅を見極めてアドバイスを行ってくれることです。
住宅の劣化や欠陥を確認し、修繕が必要になる時期や内容、費用などのアドバイスを行います。
リノベーションのために中古住宅を購入するなら、ぜひ利用して建物の状態を確認!
修繕工事などにどの程度の費用がかかりそうかなどを把握することができます。
ホームインスペクションについては、下記コラムでも詳しくお話ししておりますので、あわせてご確認ください。
中古住宅のホームインスペクションについて解説!注意点もご紹介
また、古い建物の場合は建物の耐震性を判断する「耐震診断」も必要です。
耐震性に不安のある状態では、せっかくリノベーションしても安心して暮らすことができません。
耐震診断の結果によっては耐震補強工事が必要になり、こちらも工事内容や予算に影響を与えます。
耐震性については、「リノベーション物件の耐震性の確認方法は?耐震補強の内容や費用も解説」でも詳しくお話ししていますので、こちらも見てみてくださいね。
希望通りのリノベーションを行うためにも、建物の状態を正しく把握したうえでプランニングを進めましょう。
リノベーションでできること・できないことを知ってプランニングを
戸建て、マンションではリノベーションでできること・できないことが少し違います。
戸建ての場合は、基本的にほとんどの場所を自由にリノベーションが可能です。
建物を支える柱を抜く間取り変更といった耐震性・構造に影響する場合、建ぺい率や容積率を超える増築といった建築基準法などの制限を超える場合などで、できないことがあります。
マンションの場合、リノベーションは専有部分のみ。
所有している部屋でもベランダ、窓、玄関ドアなどは共有部分なのでリノベーションができません。
専有部分であっても管理規約によって制限がかけられている場合があります。
リノベーションの前にはホームインスペクションや耐震診断で建物の状態を正しく把握し、必要な修繕工事や耐震補強工事なども検討してくださいね。