2026.10.16

中古住宅の間取り変更はどこまでできる? 買ってから後悔しないための確認ポイント

中古住宅を買ってリノベーションすれば、間取りも内装も自分好みにできる。そう考えて物件を探している方は多いと思います。でも、買ったあとで「この壁は抜けません」「ここに水回りは動かせません」と言われてしまったら、思い描いていた暮らしは実現できません。

結論からお伝えします。中古マンションを買ってリフォームした198人への調査では、約3人に1人が「希望のリフォームができる物件かどうか」を購入前に確認すべきだったと答えています。ただ、リノベーションでできることは、戸建なら建物の構造、マンションなら管理規約と配管の位置で、買う前にほぼ決まっています。図面と規約を読める担当者と物件を見れば、「買ったけれど思ったようにできない」という後悔は防げます。

「希望のリフォームができる物件か、確認すべきだった」という声

約3人に1人が「できる物件か確認すべきだった」

直近3年以内に中古マンションを買ってリフォームした198人への調査では、購入前に確認すべきだったことの3位が「希望のリフォームができる物件かどうか」で32.3%でした。リフォームを頼む前に確認すべきだったことでも、「マンションリフォームの実績や、特有の構造・規約への詳しさ」が29.8%で2位に入っています(出典:あなぶきデジタルサービス「リフォームガイド」調査、2026年)。

中古物件の購入経験者116人へのアンケートでも、「使いにくい間取り・デザイン」が失敗したこととして挙がっています(出典:株式会社アールピーネット「中古物件を買って失敗したことランキング」2021年)。

リノベーションの自由度は、買う前に決まっている

リノベーションは、建物の骨組みを生かして中身をつくり直す工事です。骨組みや、マンションのルールそのものは変えられません。つまり、どこまで自由にできるかは、物件を選んだ時点でおおよそ決まっているのです。だからこそ、買う前に確かめることが大切です。

戸建は「構造」で自由度が決まる

在来工法とツーバイフォーでは、壊せる壁が違う

木造の戸建には、大きく分けて2つの造り方があります。柱と梁、筋交いで建物を支える「木造軸組工法(在来工法)」と、壁で建物を支える「ツーバイフォー(2×4)工法」です。

在来工法は、建物を柱と梁で支えているため、間取りを変える自由度が高い造り方です。一方のツーバイフォーは壁そのものが構造なので、壊せない壁が多く、間取りの変更には制限が出ます。「自由にリノベーションできると思って買ったら、ツーバイフォーだった」というケースは少なくありません。

柱には「抜ける柱」と「抜けない柱」がある

在来工法でも、すべての柱を抜けるわけではありません。柱には3つの種類があります。

柱の種類 役割 抜けるか 図面での表し方
間柱 壁を支えるだけ 抜ける 「/」
通し柱 土台から軒まで通る 抜けない 「×」を「○」で囲む
管柱 1階・2階をそれぞれ支える 原則抜けない 「×」

図面があれば、どの柱が抜けるかはある程度分かります。抜けない柱は無理に撤去しようとせず、デザインのアクセントや棚として生かすのがおすすめです。詳しくは「リノベーションでは抜けない柱がある!見分け方や活用方法などをご紹介」でもまとめています。

マンションは「管理規約」と「配管」で決まる

床材の防音基準など、規約で決まっていること

マンションでは、自分の住戸の中であっても、管理規約で工事の内容が決められています。代表的なのが床材です。多くのマンションではフローリングの防音性能に基準があり、たとえば「LL45」と決められていれば、それと同じか、より防音性能の高い床材しか使えません(LLの数字は小さいほど防音性能が高くなります)。工事の申請や、工事できる時間帯が決められていることもあります。

良いリフォーム会社は、見積もりの前に管理規約を見せてほしいと言います。規約を見ずに出てきたプランは、実際には工事できない可能性があるからです。

水回りを動かせるかは、配管の位置しだい

キッチンや浴室の位置を動かしたいときに効いてくるのが、配管です。マンションには、上下の階をつなぐ配管が通る「パイプスペース」があり、その位置によっては、キッチンの通路幅を広げられないなど、水回りの計画に制約が出ることがあります。

マンションの中には、配管が下の階の天井裏を通っている物件もあります。こうした物件では配管の交換工事が実質不可能に近く、水回りの計画にも大きな制約が出ます。

希望のリノベーションができるかを、買う前に確かめる方法

図面と管理規約を、内覧の前に取り寄せる

確かめるために必要なのは、建物の図面(竣工図)とマンションの管理規約です。図面を見ないと、正確な工事の見積もりは出せません。

確認すること 戸建 マンション
建物の造り 在来工法かツーバイフォーか 壁や床のうち、変えられない部分
抜ける壁・柱 図面の柱の記号で確認 住戸内の間仕切り壁かどうか
水回りの移動 配管ルートと床下の状態 パイプスペースの位置と配管の経路
ルール 増築するなら建ぺい率・容積率 管理規約(床材の防音基準など)

技術営業と見れば、その場で「できる・できない」が分かる

しあわせな家では、建築士やリフォーム業の経験を持つ「技術営業」が内覧に同行します。図面と規約を読み、建物を見て、「この壁は抜けます」「この位置にキッチンは動かせません」とその場でお伝えし、内覧のあとすぐに工事費の概算も出します。

リノベーションで間取りが変えられることを前提にすると、物件探しの条件も変わります。「3LDK」のような間取りで探すのではなく、広さ(㎡数)で探したほうが、選べる物件は広がります。どんな暮らしをしたいかを先に聞いたうえで、それが実現できる物件を一緒に探していく。これが、技術営業と物件を探すいちばんの違いです。

事例集を広げて打ち合わせをする担当者とお客様

まとめ

リノベーションでできることは、戸建なら構造、マンションなら管理規約と配管の位置で、買う前にほぼ決まっています。図面と規約を取り寄せ、建物の造りと配管を確かめる。それだけで、「買ったのに思ったようにできない」という後悔は防げます。

物件から探す前に、どんな暮らしをしたいかを聞かせてください。初回相談で、その暮らしが実現できる物件の条件を一緒に整理するところから始めます。

このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役

積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。

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