2026.10.15

中古住宅のカビ・湿気で後悔しない。購入前に原因を土地と建物で見分ける方法

中古住宅の内覧は、晴れた日の昼間に、窓を開けた状態で行うことがほとんどです。そのため、住み始めて冬を迎えたり梅雨が来たりしてから、「こんなに湿気の多い家だったのか」と気づくことがあります。カビは掃除で何とかなるもの、と思っている方も多いかもしれません。

結論からお伝えします。中古住宅を買った人の後悔には「カビ・湿気がひどい」というものがあります。カビの原因は暮らし方だけではなく、「土地」と「建物」にもあります。建物が原因なら、リノベーションの断熱・気密の工事で改善できます。一方で、土地が原因だと直しにくいことがあります。内覧でカビや結露の跡を見つけたら、原因がどちらにあるのかを見分けることが大切です。

「カビ・湿気がひどい」という後悔

浴室などに、あっという間にカビが生える

中古物件の購入経験者116人に「中古物件を買って失敗したこと」を聞いたアンケートでは、「カビ・湿気がひどい」も失敗したこととして挙がっています。回答には「カビがひどい。浴室などあっという間に生える」という声がありました(出典:株式会社アールピーネット「中古物件を買って失敗したことランキング」2021年)。

カビの原因は、暮らし方だけではない

カビは、湿気がこもり、温度差で結露が起きる場所に生えます。こまめな換気や掃除で防げる部分もありますが、それだけでは追いつかない家もあります。その原因は、大きく分けて次の2つです。

  • 土地:もともと水が集まりやすい土地に建っている
  • 建物:断熱や気密が足りず、結露が起きやすい。換気の設備が古くなっている

どちらが原因かで、打つ手がまったく変わります。

湿気の原因が「土地」にあるかを確かめる方法

地名と古い地図で、土地の成り立ちを見る

地名は、その土地の履歴書のようなものです。池・沼・谷・袋・田・江・窪などの漢字が入る地名は、水害や液状化のリスクを示していることがあります。もともと水と縁の深い土地だった可能性があるからです。一方で、「○○ヶ丘」「○○台」のような地名も油断はできません。造成前の地形を隠すために、名前が変えられたケースもあるからです。

地名だけで決めつけず、国土地理院の古い地図や、新旧の地図を比べられる「今昔マップ」、ハザードマップで、昔その土地が水田や沼ではなかったかを確かめておきましょう。地名の読み解き方は「地名が語る「土地の履歴書」」でも詳しくまとめています。

周りより低い場所には、水が集まる

もうひとつ見ておきたいのが、周りとの高さの関係です。内陸の比較的高い場所でも、周辺と比べて相対的に低い場所には水が集まります。水が集まりやすい土地では、床下に湿気がこもりやすくなります。内覧の行き帰りに、物件が坂の下や窪んだ場所にないかを、自分の足で歩いて確かめてみてください。

湿気の原因が「建物」にあるかを内覧で確かめる方法

窓まわりと押し入れに、結露とカビの跡を探す

建物が原因の湿気は、内覧でも跡が見つかることがあります。見ておきたいのは次のような場所です。

見る場所 見るポイント
窓まわり サッシや窓枠の黒ずみ、カーテンのカビ跡
押し入れ・クローゼット 奥の壁のシミ、こもったにおい
浴室・脱衣所 天井や壁のカビ、床のふかふかした感触
家具の裏・部屋の隅 壁紙のはがれやシミ

居住中の物件であれば、売主さんに「冬に窓が結露しますか」「カビが出やすい場所はありますか」と聞いてみるのも有効です。

換気扇と床下も見ておく

浴室やキッチンの換気扇が古くなっていると、湿気を外に出す力が落ちます。換気の設備の劣化や、雨漏り・水漏れ、木材の腐りは、住宅診断(ホームインスペクション)で重点的に見る項目でもあります。床下に湿気がこもっていないかは、内覧だけでは確かめにくいため、専門家の目で見てもらうことをおすすめします。

中古マンションのリビング

直せる湿気と、直しにくい湿気

建物が原因なら、断熱と気密の工事で改善できる

結露が起きやすいのは、壁や窓の断熱が足りず、すき間が多い家です。家のすき間の多さは「C値」という数字で表され、小さいほどすき間が少ない家です。一般的な住宅の平均は1㎡あたり9〜10㎠で、すき間の少ない高気密の住宅は1㎠以下が目安です。

すき間を減らすと、部屋ごとの温度差が小さくなり、結露が起きにくくなります。この気密性は、リノベーションで高められます。建物を骨組みだけの状態にして、断熱と気密の工事までしっかり行い、断熱工事のあとと完成後の2回、気密を測る。そうすることで、湿気に悩まされにくい家に変えられます。気密の測り方は「気密測定とは?手順やC値の見方、気密性が高いメリットも解説!」でも詳しくまとめています。

技術営業と見ていたら、防げた後悔

一方で、土地そのものが水を集めやすい場合は、建物の工事だけでは解決しきれないことがあります。だからこそ、買う前に原因を見分けることが大切です。

しあわせな家では、建築士やリフォーム業の経験を持つ「技術営業」が内覧に同行し、カビや結露の跡から原因が建物にあるのか土地にあるのかを判断します。建物が原因なら、断熱・気密の工事を含めた概算を内覧のあとすぐにお伝えします。土地が原因で直しにくいと判断すれば、「この物件はやめておきましょう」と率直にお伝えします。工事でも売上が立つ仕組みなので、契約を急がせる必要がないからです。

住宅購入の相談風景

まとめ

カビや湿気の原因は、暮らし方だけでなく、土地と建物にもあります。地名や古い地図で土地の成り立ちを確かめ、内覧では窓まわりや押し入れに結露とカビの跡を探す。そして、原因が建物なら断熱と気密の工事で改善できる、土地なら慎重に考える。そう分けて考えれば、カビの跡を見つけても慌てずに判断できます。

気になる物件があれば、その湿気の原因を一緒に見分けましょう。初回相談で、内覧のときに見ておきたい場所をお伝えするところから始めます。

このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役

積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。
甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。

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