2026.10.17
中古マンションの修繕積立金は購入後に上がる? 後悔しないために購入前に確認すること
中古マンションの物件資料には、管理費と修繕積立金の月々の金額が書かれています。でも、その金額がこの先も続くとは限りません。「買ったあとに修繕積立金が上がった」という話を聞いて、不安になっている方もいるのではないでしょうか。
結論からお伝えします。中古マンションを買った人が「確認すべきだった」と振り返ることの上位に、大規模修繕の履歴や修繕積立金の値上がりの予定があります。ただ、積立金が上がるかどうかは、「㎡×250円」という目安と、長期修繕計画・管理組合の議事録を見れば、購入前にかなりの部分まで読めます。そして、いまの積立金が安いことは、良いことではありません。「将来上がるかもしれない」というサインです。
中古マンションを買った人が「確認すべきだった」こと
198人のうち約3人に1人が、大規模修繕と修繕積立金を挙げた
直近3年以内に中古マンションを買ってリフォームした198人への調査では、購入前に確認すべきだったことの2位が「大規模修繕の履歴や修繕積立金の今後の値上がり予定」で32.8%でした(出典:あなぶきデジタルサービス「リフォームガイド」調査、2026年)。約3人に1人が、買ったあとで大規模修繕や修繕積立金のことを気にしているのです。
「聞いていない額にあがった」という声
中古マンションを買った111人に「購入後に後悔していること」を聞いた別の調査でも、「修繕積立金が、聞いていない額にあがった」「想定以上の修繕費や管理費の負担が発生したこと」といった声が寄せられています(出典:株式会社MEMOCO「中古マンション選びと購入後の満足度に関する調査」2025年)。
修繕積立金は、なぜ上がるのか
長期修繕計画は、途中で積立金が上がる設計が多い
マンションには、この先どの時期にどんな修繕をして、そのためにいくら積み立てるかをまとめた「長期修繕計画」があります。この計画を見ると、積立金が10〜15年後に数倍になる計画になっていることが少なくありません。
つまり、修繕積立金の値上がりは突然起きるのではなく、多くの場合は計画書にすでに書かれています。
大規模修繕は12〜14年ごとにやってくる
外壁や屋上の防水などをまとめて直す大規模修繕は、12〜14年ごとに行われるのが一般的です。その費用は修繕積立金から出されます。積立金が足りなければ、値上げや一時金の徴収で補うことになります。
機械式駐車場の空きも、積立金に響く
意外と見落としやすいのが機械式駐車場です。維持費は月6,000円ほどが目安とされ、空きが多いと、使っていない区画の維持費まで管理組合が負担することになります。これが財政を圧迫し、修繕積立金の値上がりにつながることがあります。

値上がりを購入前に見抜く方法
いまの積立金を「㎡×250円」と比べる
まず手元でできるのが、いまの修繕積立金が適正かどうかの確認です。目安は「専有面積(㎡)×250円」です(国土交通省の修繕積立金ガイドラインをもとにした目安)。
| 専有面積 | 修繕積立金の目安(月額) |
|---|---|
| 50㎡ | 12,500円 |
| 60㎡ | 15,000円 |
| 70㎡ | 17,500円 |
| 80㎡ | 20,000円 |
たとえば70㎡の物件で、いまの積立金が月8,000円なら、目安を大きく下回っています。こうしたマンションは、将来の値上がりか、積立金の不足のどちらかが起きる可能性があります。電卓1つでできる確認なので、物件資料を見るたびに計算してみてください。
長期修繕計画が30年以上先まであり、5年ごとに見直されているか
次に、長期修繕計画そのものを見せてもらいます。確認したいのは2点です。計画が30年以上先まで作られているか、そして5年ごとに見直されているか。国の「長期修繕計画作成ガイドライン」は2021年の改訂で、計画期間を「30年以上」としています。計画が古いまま放置されているマンションでは、いまの積立金で本当に足りるのかが分かりません。
管理組合の議事録で、滞納と今後の議題を見る
管理組合の議事録には、修繕積立金の滞納の状況や、共用部で起きている問題、これからの修繕の予定が書かれています。値上げの議論が始まっていれば、ここで分かります。議事録の閲覧に応じてくれるマンションは、それだけで管理の姿勢に好感が持てます。
共用部の傷み方から、管理の質を読む
書類だけでなく、建物そのものも管理状態を語っています。外壁タイルのはがれや浮き、廊下や階段のコンクリートに白い粉が吹き出す「白華」や、鉄筋のさびがにじみ出た跡は、放っておくと修繕費が大きくなるサインです。エントランスの清掃やポスト・掲示板の整理、ゴミ置き場の使われ方にも、管理組合の意識が表れます。
技術営業と物件を探していたら、防げた後悔
書類と建物の傷みを、照らし合わせて読める
長期修繕計画は、読み慣れていないと「どこを見ればいいのか」が分かりにくい書類です。しあわせな家では、建築士やリフォーム業の経験を持つ「技術営業」が、計画書や議事録を読み、実際の建物の傷みと照らし合わせて「この計画で足りるのか」を判断します。計画書の読み方は「中古マンション購入では「長期修繕計画」「修繕履歴」の確認が大事!」でも詳しくまとめています。
値上がりを見込んで、返済計画を立てられる
積立金が上がることが分かっていれば、その金額を前提に住宅ローンの返済計画を立てられます。大切なのは「借りられる額」ではなく「返せる額」で考えることです。値上がり後の積立金まで含めて毎月の住居費を見ておけば、「聞いていない額になった」と慌てることはありません。

まとめ
修繕積立金の値上がりは、多くの場合、長期修繕計画にすでに書かれています。「㎡×250円」でいまの金額を確かめ、計画が30年以上先まであって5年ごとに見直されているか、議事録に何が書かれているかを見る。それだけで、買ったあとの「聞いていない」はかなり防げます。
いまの積立金の安さに飛びつく前に、その先の金額を一緒に読みましょう。初回相談で、マンションの書類の見方をお伝えするところから始めます。
このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役
積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。




