2021.07.21
中古住宅の登記費用とは?相場やその他諸費用についても解説
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の山田です。
住宅の購入では、物件購入の費用以外にかかる費用をまとめて「諸費用」と呼んでいます。
中古住宅の購入でももちろん諸費用がかかるのですが、今回はその中でも「登記費用」を中心に解説します。
登記費用とは具体的にどんな費用のことを指すのか、登記費用やそのほかの項目も含めた諸費用の相場、登記費用を抑える方法などをご紹介します。
中古住宅購入時に必要な「登記費用」とは?
中古住宅を購入したら物件の名義変更を行う必要があるのですが、この名義変更手続きにかかる手数料、または一連の手続きにかかる費用全体をまとめて「登記費用」と呼びます。
登記手続きの手数料は、正確には「登録免許税」という税金の一種です。
不動産売買によって得た物件の登記手続きは「所有権移転登記」といいます。
登記は、不動産の所有権を持っていることを公的に証明するもので、登記をすることによって不動産の所有権を他人に主張することができるようになります。
また、住宅ローンを利用して住宅を購入した場合は住宅に抵当権(担保)がつけられるため、「抵当権設定登記」を行いますが、これにも登録免許税がかかります。
登記手続きにかかる費用には、登録免許税以外にも以下の費用が含まれます。
- 必要書類の発行費用
- 書類取得や申請のための郵送費や交通費
- 手続きを司法書士へ依頼した場合の報酬
中古住宅購入時にかかる登記費用を含めた諸費用の目安とは
登録免許税は、手続きの内容によって税率が異なり、所有権移転登記と抵当権設定登記の税率は以下の通りです。
- 土地の所有権移転登記:土地の評価額×2%(2026年3月31日までは軽減税率にて1.5%)
- 中古住宅の移転登記:住宅の評価額×2%(2027年3月31日までは軽減税率にて0.3%)
- 抵当権設定登記:借入額×0.4%(2027年3月31日までは軽減税率にて0.1%)
※軽減税率の適用を受けるには一定の要件を満たす必要があります
たとえば、評価額1,000万円の土地、2,000万円の中古住宅を購入、住宅ローンを3,000万円借り入れた場合、それぞれの登記手続きでかかる登録免許税は以下の通りです(※軽減税率適用時)。
- 所有権移転登記(土地):1,000万×1.5%=15万円
- 所有権移転登記(中古住宅):2,000万×0.3%=6万円
- 抵当権設定登記:3,000万円×0.1%=3万円
合計:24万円
必要書類の取得費、郵送費・交通費はそれぞれ数百円~数千円程度となるでしょう。
司法書士へ手続きを依頼した場合の報酬は物件にもよりますが、10万円〜15万円程度が相場となります。
中古住宅購入でかかる諸費用の目安とは
住宅購入における諸費用とは、物件の購入費以外にかかる費用のことです。
登記費用のほかには、こんな費用が該当します。
- 印紙税:売買契約書やローン契約書など特定の文書作成の際にかかる税金
- 固定資産税精算金:購入日と所有期間によって、固定資産の負担分を清算する費用
- 仲介手数料:不動産会社へ支払う手数料
- 不動産取得税:不動産を購入したあとに1度だけかかる税金
- 融資事務手数料:住宅ローンを利用する際に金融機関へ払う手数料
- ローン保証料:住宅ローンを利用する際にかかる保証料
- 火災保険料:住宅に対してかける火災保険。住宅ローン利用時には必須
中古住宅の場合、登記費用を含む諸費用合計は、物件価格全体の6~9%程度といわれています。
仮に3,000万円の中古住宅を購入した場合、諸費用は180万~270万円程度が目安となります。
中古住宅購入で、登記費用を抑えることはできる?
登録免許税の税額は法律で決まっているので、節約することはできません。
ただし、軽減税率の適用を受けることで税額を抑えられますよ!
軽減税率の適用を受けるには、床面積が50㎥以上である、取得後1年以内に登記すると言った条件や、軽減税率適用の期限などがあります。
所有権移転登記の手続き自体に期限はありませんが、軽減税率を受けるためにも期限内に手続きを行うと良いでしょう。
通常は、物件引き渡しの際に同時に行うことがほとんどです。
また、登記手続きを司法書士に依頼せず、自分で行うことで司法書士報酬を節約するという方法もあります。
しかし、自分で手続きを進めるには、必要書類を集めたり法務局へ足を運んだりと、手間や時間がかかってしまいます。また、住宅ローンを利用する場合は司法書士に依頼することが必須です。労力を考えると、司法書士へ依頼するのも決して高くはないといえるでしょう。
中古住宅の登記費用は物件価格に応じてかかる諸経費の一部
中古住宅の購入時にかかる登記費用とは、名義変更の際の所有権移転登記や住宅ローン契約を利用するための抵当権設定登記にかかる費用。
正確には「登録免許税」という税金です。
そのほか、必要書類の取得費用や郵送・交通費、司法書士報酬も含め、登記手続き全体にかかる費用をまとめて「登記費用」と呼ぶケースもあります。
物件の購入費以外の費用をまとめて諸経費といい、登記費用は諸経費の一部です。
中古住宅購入の諸経費は、物件費用の6~9%程度になるといわれています。
軽減税率の適用を受けることで税額を抑える、登記手続きを自分で行うことで司法書士報酬を節約することもできるので、費用を抑えたい場合には検討してみましょう。