2021.06.24
中古住宅を購入する際にかかる税金について知ろう!特例措置もご紹介
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の山田です。
住宅購入では購入費用以外にもいろいろな費用がかかりますが、そのひとつが税金です。
中古住宅購入でもそれは同じで、税金についても考慮しながら資金計画を立てる必要があります。
今回は、中古住宅を購入する際にかかる税金について解説します。
中古住宅を購入するとき、購入した後にどんな税金がかかるのか。
中古住宅購入でかかる税金を軽減する方法などもご紹介します。
中古住宅購入の際にかかる税金をご紹介
中古住宅を購入するときはもちろん、購入した後にも税金がかかります。
まずはどんな税金がかかるのか、いつ必要になるのかも含め、支払いが生じる順番ごとにご紹介していきます。
印紙税
印紙税は、印紙税法で定められた課税文書に対してかかる税金です。
中古住宅購入では「不動産売買契約書」やローン契約のための「金銭消費貸借契約書」などがその対象で、それぞれの契約時にかかります。
契約書に記載される契約金額によって税額が決まるので、郵便局などで印紙を購入し、契約書に貼付することによって納付します。
印紙税額は以下の通りです。
2027年3月31日までは軽減税率が適用されます。
契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
10万円超~50万円以下 | 400円 | 200円 |
50万円超~100万円以下 | 1千円 | 500円 |
100万円超~ 500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
500万円超~1千万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1千万円超~5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円超~1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超~5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
5億円超~10億円以下 | 20万円 | 16万円 |
10億円超~50億円以下 | 40万円 | 32万円 |
50億円超えるもの | 60万円 | 48万円 |
登録免許税
購入した物件の所有権移転登記や、ローン借入で抵当権設定登記手続きの際にかかる税金です。
税額は登記の理由によって異なり、建物、土地のそれぞれに課税されます。
登記理由と内容 | 本則税率 | 軽減税率 | 特例措置期限 | |
売買による所有権移転登記 | 建物 | 20/1000 | 3/1000 | 2027/3/31 |
土地 | 20/1000 | 15/1000 | 2026/3/31 | |
住宅ローンなどによる抵当権設定登記 | 4/1000 | 1/1000 | 2027/3/31 |
※国税庁ホームページ登録免許税の一覧表より
不動産取得税
不動産を取得したときに、1度だけ課税される税金です。
建物と土地それぞれに課税されます。
中古住宅購入後は管轄の都道府県税事務所へ不動産取得税の申告を行い、半年~1年後頃に自治体から届く納税通知書にて納付します。
税額は、固定資産税評価額×3%。
住宅用地は、固定資産評価額を1/2とする軽減措置があります。
2,000万円の土地と1,000万円の建物を購入した場合の不動産取得税額は、(2,000万円×1/2×3%)+(1,000万円×3%)で60万円となります。
不動産取得税の税率を4%から3%に軽減する、宅地の評価額1/2とするのは税額軽減のための特例措置です。
2024年度税制改正で期限が3年延長され、2027年3月31日までとなりました。
軽減措置については条件を満たす必要があるため、後に詳しくご説明します。
固定資産税
土地や建物などの固定資産を有しているとかかる税金です。
毎年1月1日時点の所有者へ4月頃に納付書が送られ、自治体に納付します。
税額は課税標準額×税率(標準税率1.4%)となり、建物と土地それぞれに課税されます。
税率は自治体ごとに異なりますが、1.4%としている自治体が多いです。
また、土地には住宅用地の特例があり、土地の広さによって課税標準額が1/3または1/6になります。
都市計画税
都市計画事業や土地区画事業の費用とするため、市街化区域内に土地や家屋を持っているとかかる税金です。
対象の方は固定資産税と一緒に課税され、同時に納付することになります。
税額は課税標準額×税率(制限税率0.3%)となり、建物と土地それぞれに課税されます。
税率は自治体ごとに異なりますが、0.3%としている自治体が多いです。
土地は住宅用地の特例により、広さによって課税標準額が2/3または1/3になります。
そのほか中古住宅購入の全体的な流れについては、こちらでも詳しくご紹介しています。
中古住宅購入の流れを詳しく解説!失敗を防ぐポイントや注意点も
中古住宅購入で大きな税金「不動産取得税」を軽減する方法は?
中古住宅購入の資金計画は、税金も含めて考えましょう。
とくに不動産取得税は金額も大きなものになるため、中古住宅購入の初期費用のひとつと考えて準備が必要です。
条件を満たす中古住宅の購入では、申請することで不動産取得税の軽減措置を受けることができます。
建物と土地とで控除を受けるための条件や控除額が異なりますので、ぜひ知っておきましょう。
中古物件取得
軽減措置を受けるためには、下記の3つの条件を満たす必要があります。
- 自分の居住用住宅であること
- 課税床面積が50㎡以上240㎡以下(一戸建て以外は40㎥以上)
- 1982年1月1日以降に新築された、またはそれ以前の新築で建築士等が行う耐震診断によって新耐震基準に適合していることの証明がされている
中古住宅が新築した日に応じて以下の金額が、固定資産税評価額から控除されます。
新築した日 | 控除額 |
1954/7/1~1963/12/31 | 100万円 |
1964/1/1~1972/12/31 | 150万円 |
1973/1/1~1975/12/31 | 230万円 |
1976/1/1~1981/6/30 | 350万円 |
1981/7/1~1985/6/30 | 420万円 |
1985/7/1~1989/3/31 | 450万円 |
1989/4/1~1997/3/31 | 1,000万円 |
たとえば1990年に新築された固定資産評価額が1,000万円の中古住宅の場合、軽減前の不動産取得税は1,000万円×3%=40万円。
軽減措置が適用されれば、(1,000万円-1,000万円)×3%=0万円となります。
中古住宅用の土地取得
中古住宅用の土地を取得して軽減措置を受けるための条件は以下の2つです。
- 中古住宅が軽減措置を受けるための条件を満たしている
- 土地の取得が、中古住宅取得の前後1年以内(同時を含む)
以下の2つの高い金額が、土地の不動産取得税から減額されます。
- 45,000円
- (土地1㎡あたりの固定資産税評価額×1/2)×(住宅の課税床面積×2(上限200㎥)×3%
以下の条件で計算してみましょう。
土地:面積100㎥、固定資産税評価額2,000万円
建物:延べ床面積80㎥、固定資産税評価額1,000万円
軽減前の土地の不動産取得税は2,000万円×1/2×3%=30万円。
軽減後は以下のうちどちらか多い金額を税額から減額できます。
- 45,000円
- (2,000万円÷100㎥×1/2)×(80㎡×2)×3%=48万円
軽減前の税額から(2)を控除すると、30万円-48万円<0。
土地の不動産取得税額は0円となります。
軽減措置を受けるための手続き
中古住宅購入で不動産取得税の軽減を受けるためには、不動産の住所を管轄する都道府県税理事務所へ申請をします。
※申請する必要がなく、請求が来ない場合もあります。
申請が必要な場合は不動産の取得(登記)から60日以内に、必要書類をそろえて申請をしましょう。
【必要書類】
- 不動産取得税課税基準の特例適用申告書(建物、土地でそれぞれ必要)
- 土地と住宅の売買契約書(住宅引渡証書)
- 住宅の登記事項証明書(あるいは登記謄本)
- 最終代金の領収書
- 住民票
- 印鑑 など
中古住宅購入でかかる税金と軽減する方法について知ろう
中古住宅の購入では印紙税や登録免許税、不動産取得税などがかかります。
購入時にかかるこれらの税金は、不動産購入の初期費用と考えて準備をしておきましょう。
購入後は毎年、固定資産税や都市計画税などの納付も必要です。
とくに不動産取得税は、不動産の価格に比例して大きな金額になりがちです。
一定の条件を満たした中古住宅の購入であれば、軽減措置が適用できるのでぜひ確認してみましょう。
軽減措置を受けるためには不動産取得(登記)から60日以内に手続きが必要です。
また、印紙税や登録免許税についても軽減措置が施行されています。