2021.10.03
中古マンションの配管の寿命やメンテナンスを確認!契約前の確認点も
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の高田です。
鉄筋コンクリート造のマンションは、建築物としての物理的な寿命は100年もつといわれています。
しかし、建物の中を通る配管の寿命はもっと短いです。
中古住宅を購入するときは、配管の劣化やメンテナンス状態についても確認が必要。
今回は中古マンションの配管について注意すべき点をご紹介します。
配管の種類による耐久性や寿命の違い、メンテナンスにかかる費用、中古マンションの契約前にチェックすべきことなどをお伝えします!
中古マンションの配管の寿命は?種類によっても異なる!
住宅には給排水管やガス管など、配管がいくつも通っています。
コンクリート製のマンションは寿命が延びて「100年住宅」といわれるものもありますが、配管の寿命はそれよりも短いため、状態を見極めて修繕や交換をすることが必要です。
配管の種類による耐久性の違いや寿命についてご紹介します。
亜鉛メッキ鋼管:寿命15~20年程度
古い中古マンションでよく使われていた種類です。
さびやすいため、1997年の水道法の改正に伴う規格改正によって上水道配管への使用はされなくなりました。
硬質塩化ビニルライニング鋼管:寿命15年~30年程度
亜鉛メッキ鋼管が使われなくなったことにともない、登場した種類です。
亜鉛メッキ鋼管よりもさびにくく、現在多くのマンションで使われています。
ステンレス鋼管:寿命は半永久的
さびにくく耐久性が高い種類の配管です。
パッキンの交換は必要ですが、適切なメンテナンスを行えば、半永久的に使えるといわれています。
上記の3つは金属素材の配管ですが、近年は以下のような非金属素材による配管も登場しています。
- 硬質塩化ビニル管
- 架橋ポリエチレン管
- ポリブテン管
- 耐衝撃性塩ビ管 など
非金属であればサビの心配はなく、内外面を防食対策することで耐久性も高めています。
配管の状態維持と同時に、水質の保全と維持にもつながるでしょう。
中古マンションの配管は誰がメンテナンスをする? 工事費用の目安は?
購入した中古マンションの配管に劣化や不具合があったとして、修繕やメンテナンスは誰の責任になるのでしょうか。
まずは、契約不適合責任(瑕疵担保責任)について確認。
不動産の売買では、購入後に判明した不具合について、一定期間は売主が責任を持つという「契約不適合責任」があります(※2020年4月に瑕疵担保責任から契約不適合責任へ変更されました)。
中古マンションの売買では、契約時に契約不適合責任の期間について取り決めがあるはずなので、契約書や重要事項説明書を確認してみましょう。
また、マンションは自室など個人に所有権がある専有部分と、エントランスや基礎、外壁・構造といった共有部分に分かれます。
自室に通る給排水管など専有部分にあたるものについては、契約不適合責任の範囲でなければ所有者本人が修繕やメンテナンスをすることになります。
給排水管の交換費用は30万円程度が目安といわれています。
しかし、給排水管の交換のためには床や壁の解体、内装工事などが発生するため、それらを合わせるとトータルの工事費用は50~100万円程かかってしまうことも。
そのため、排水管を単独で工事するのではなく、全体的なリフォームやリノベーションなどと合わせて行うのをおすすめします。
共有部分を通る汚水管や排水管、ガス管などの配管の修繕については、個人では行えません。
マンションごとに計画された長期修繕計画に沿って修繕やメンテナンスが行われることになります。
中古マンション配管はどうチェックする? 契約前に見るべきポイント
「中古マンションでは配管の状態にも気をつけましょう」と言っても、建物内部を通っている配管そのものを全て自分でチェックするのは不可能です。
しかし、メンテナンスや管理状態から、現在の状態を想定することはできます!
中古マンションの契約前には、こんな点を確認してみてください。
- 室内の古い配管は交換されているか
- マンション全体の配管改修工事は済んでいるか
- 室内に点検口があるか
- 修繕計画はどうなっているか
- 契約不適合責任の期間はいつまでか
適切な修繕やメンテナンスがされていなければ、配管の劣化は早いです。
もちろんこれは、配管に限らず建物全体にいえること。
マンションの修繕計画や過去の修繕履歴などをチェックし、適切なメンテナンスがされている物件かどうかを確認することは大事です。
購入前に自室の配管が新しいもの交換されていれば、なお安心ですね。
売主が契約不適合責任を負うのか、期間はいつまでかも、事前に確認しておきましょう。
中古マンションは配管に注意!適切な管理がされている物件を選ぼう
いまやコンクリートマンションの寿命は100年ともいわれていますが、配管の寿命はそれよりもずっと短いです。
中古マンションでは、配管が劣化している可能性も踏まえて状態をチェックしましょう。
適切な管理や修繕、メンテナンスがなされている物件を選ぶことが大切ですよ。
そのためにはマンション全体の修繕計画や修繕履歴、共有部分や専有部分の配管交換の有無などを確認。
中古マンションの購入では、契約不適合責任の有無や期間も要チェックです。