2014.12.29
住まいの幸福度、世界一を目指す!
毎年恒例の年末コラムです。
【過去の年末コラム】
2009年「不動産営業のあるべき姿」
2010年「私の役割」
2011年「職人の肌感覚」
2012年「結論は人間力と3.3倍」
2013年「NZの中古住宅売買から学ぶこと」
今年のタイトルは「住まいの幸福度、世界一を目指す!」。
大袈裟なタイトルですが、今年はひとつ、世の中に提言をしてみようと思います。
大きなメッセージを
「日本の住まいは先進国の中で最低だ。【衣食住】の衣食はイイけど、住だけは・・・」
建物の平均寿命はたったの26年。
ドイツで行われた会議で日本の次世代省エネルギー基準の数値を発表したところ、会場に笑いが起こったほど低い断熱基準。
狭いし、寒いし、すぐ寿命がくる家。
こんなことはず-っと前から言われていることで、これを何とかしようと、いろんな所でいろんな人が努力をしてきたわけです。そして、2006年の「住生活基本法」、2009年の「長期優良住宅」をはじめとして、日本人の住まいに対する考え方が大きく転換することになったわけです。
しかし、現場の最前線で仕事をしていて感じることは、こう何と言うか、こういう話をお客様にしてもどうにも盛り上がらない。理念は納得だけど、やっぱり素敵なキッチンの方が魅力的。未来の日本の住まいのあり方を指し示す、もっとわかりやすく、ウエットで大きなメッセージが必要なのではないかと感じていました。
そこで私からひとつ提案です。
これからの日本は「住まいの幸福度、世界一を目指す!」。
他の先進国に追い付こうや、先進国の平均以上を目指そうじゃつまらないですよね。ここはおもいきって言っちゃいましょう。目指すは世界一です!胸を張って「日本の住まいは世界一しあわせだっ!」と言えるところを目指しませんか?
ライフステージで表現する
もちろん家の広さは叶わない。断熱性だってそう簡単には変えられない。そんなことはわかっています。でも、街並みがごちゃごちゃしていても、家や庭が猫の額ほど狭くても、そしてとても寒くても、日本らしい「しあわせな家」が創れるはずです。住まいの新たな文化が創れるはずです。
新たな文化を創る第一歩として、まずは「2LDK」「3LDK」のように住まいをベットルームの数で表現するだけでなく、住む人のターゲットをギュッと絞りこんで、ライフステージで表現するのはどうでしょうか?現実的にリノベーション済のお部屋など「nLDK」では表現できない素敵なお部屋がドンドン出現しています。
ライフステージとは具体的に、前からここに書いていますが、ステージを6つに分類します。
ステージ1:一人暮らし
ステージ2:二人暮らし前期
ステージ3:子育て前期
ステージ4:子育て後期
ステージ5:二人暮らし後期
ステージ6:終の棲家
弊社は今年、実際にこれらを造ってみました。
ステージ1&ステージ2の住まいを「豊洲プロジェクト」で、ステージ3の住まいを「鴨居プロジェクト」で。さらに来月からステージ4の住まいを川崎で造りはじめます。
実際にやってみて感じたことは、世代によって、やっぱり欲しいモノ、欲しいコトが違うんです。家が足りなかった一昔前と違って、家余りの現在、お客様のニーズは確実に進化しています。そのため、ボリュームゾーンに向けてぼんやりとした住まいを造り続けていたら、近い将来、全く相手にされなくなると感じました。
今の世の中、広い家が必要な子育て世代が狭い家に住み、広い家が必要なくなった二人暮らし後期の世代が広い家に住んでいます。自分が慣れ親しんだ街に「ステージ5:二人暮らし後期」や「ステージ6:終の棲家」にマッチした住まいが無いこと、そして、住まいの価値が大幅に毀損しているため、お金の問題も原因でしょう。どの世代も消極的な選択をしていると言えます。
これを改善するには、心から引っ越したいと思える住まいを増やし、かつ、中古住宅の価値が下がりにくい世の中にすることです。そうすれば、住み替えに対して前向きになり、ステージを上がっていくことが楽しみとなり、住まいの幸福度は大幅にアップするはずです。想像してみてください。すべての住まいが6つのライフステージにマッチしたものになった世の中を。当然、ステージは同じでも、その中身は全然違い、個性があるわけで、
「次のステージになったら、ああいう住まいに引っ越そうね。」
なんかワクワクしませんか?
しあわせな家を追求する
たった今、特にリノベーションを手掛ける業者は、カッコ良さを前に出し過ぎだと感じています。もっと実際の生活に寄り添うべきです。また、お客様も永住志向が強く、住まう期間を長く考え過ぎのため、おもいきったプランを造れないでいます。(実際には30代で購入した住まいに永住する人はほんのわずかです)
これらをあらため、概ね10年くらい住まう家と考え、各ステージにマッチした住まいを造るようにする。そのキーワードは「世代としあわせ」。各世代がしあわせに暮らせるよう様々な仕掛けをするわけです。こうやって業者とお客様が「しあわせな家」を追求することで、日本の住まいの幸福度は大幅にアップするはずです。
ちなみに弊社が考える「しあわせな家」についてはここにまとめてあります。
「しあわせな家ってどんな家?」
もう一度言います。
これからの日本は「住まいの幸福度、世界一を目指す!」
そのキ-ワードは「世代としあわせ」。
具体的には2つ。ひとつめは、ライフステージを6つに分類し、概ね10年くらい住むつもりで、心から引っ越したいと思える住まい造りをすること。ふたつめは、中古住宅の価値が下がりにくい仕組みにし、住み替えを容易にすること(これは既に動き始めているので時間の問題ですね)。
いかがでしょうか?
「住まいの幸福度、世界一を目指す会」でもつくって、その初代会長にでもなっちゃおうかな(笑)。
それでは、最後にいつものフレーズを。
未来が楽しみで仕方ありません。
頑張ります!
平成26年12月 山田 篤