2026.10.06
中古住宅の諸費用はいくら?「思ったより高い!」を防ぐ電卓1つの計算方法
中古住宅の購入を考え始めると、まず気になるのは物件価格と、住宅ローンの月々の返済額だと思います。ところが、実際に家を買うときには、物件価格のほかにもまとまったお金が必要になります。それが「諸費用」です。
結論からお伝えします。中古住宅の諸費用は、物件価格の8〜10%を目安に見ておくのが現実的です。3,000万円の物件なら240〜300万円。「少しかかる手数料」では済まない金額です。大切なのは、諸費用の中身と支払うタイミングを知ったうえで、「物件価格+諸費用+リノベーション費用」の総額から予算を逆算することです。この記事では、その計算方法を順番に整理していきます。
目次
物件価格のほかに、いくら用意しておけばいいのか
目安は物件価格の8〜10%
諸費用は、物件価格の6〜9%程度に収まることもあります。ただ、住宅ローンの組み方や物件の条件によって金額は上下し、想定より膨らむことも珍しくありません。私たちは、余裕を持って物件価格の8〜10%を見ておくことをおすすめしています。
3,000万円の物件なら、240〜300万円
具体的な金額にすると、次のようになります。
- 2,000万円の物件:160〜200万円
- 3,000万円の物件:240〜300万円
- 4,000万円の物件:320〜400万円
物件価格を見ていると、数十万円の差は小さく感じてしまいがちです。けれど、諸費用は物件価格に比例して増えていきます。「月々の返済が少し増えるだけ」と考えて物件の予算を上げると、諸費用も一緒に増えることを覚えておいてください。
諸費用には、どんなお金が含まれているのか

不動産会社や司法書士に支払うお金
諸費用の中で大きな割合を占めるのが、不動産会社に支払う仲介手数料です。金額の上限は法律で決まっていて、物件価格が高いほど手数料も高くなります。
もうひとつが、所有権の移転や住宅ローンの抵当権の設定を登記するための税金と、司法書士への報酬です。
国や自治体に納める税金
家を買うと、いくつもの税金がかかります。
- 印紙税:売買契約書やローンの契約書に貼る印紙代(契約金額に応じて決まる。売買契約書には軽減税率あり)
- 登録免許税:所有権の移転や抵当権の設定を登記するときの税金
- 不動産取得税:固定資産税評価額の3%(軽減措置あり)
登録免許税と不動産取得税は、建物の築年数や広さなどの条件を満たすと軽減措置が受けられ、金額が大きく変わります。
このほか、固定資産税(評価額の1.4%が標準)と都市計画税(最大0.3%、自治体によって異なります)の清算金もかかります。これらの税金はその年の1月1日時点の持ち主である売主に課されるため、引き渡し日以降の日割り分を、買主が売主に支払うのが一般的な慣行です。
住宅ローンと保険にかかるお金
住宅ローンを組む場合は、金融機関への事務手数料や保証料がかかります。金融機関によって「保証料型」か「事務手数料型」かが異なり、金額の差も小さくありません。さらに、火災保険(地震保険を付ける場合はその分も)の保険料が必要です。
| グループ | 主な費用 | 支払う相手 |
|---|---|---|
| 手数料・報酬 | 仲介手数料、司法書士報酬 | 不動産会社、司法書士 |
| 税金 | 印紙税、登録免許税、不動産取得税、固定資産税・都市計画税の精算 | 国・自治体(精算分は売主) |
| ローン・保険 | 事務手数料、保証料、火災保険料 | 金融機関、保険会社 |
いつ、どのタイミングで支払うのか

売買契約のときに必要なお金
売買契約のときには、手付金を現金で支払います。目安は物件価格の5%です。手付金は諸費用ではなく、物件代金の一部として後で充当されるお金ですが、契約の時点で手元に必要になる点は同じです。あわせて、契約書に貼る印紙代も必要です。仲介手数料の半額を契約時に支払う取り決めになっていることもあります。
引き渡しのときに必要なお金
引き渡しの日には、住宅ローンの融資が実行され、残りの代金を売主に支払います。同じ日に、登記費用、ローンの事務手数料や保証料、固定資産税の精算金、仲介手数料の残りなどをまとめて支払うのが一般的です。火災保険は、引き渡しまでに契約して保険料を支払っておきます。
住み始めてから届く税金もある
不動産取得税は、引き渡しの時点では支払いません。入居してしばらくしてから、都道府県から納税通知書が届きます。軽減措置を受けるには申告が必要な場合があり(都道府県によって異なります)、申告しないと軽減が適用されないこともあるため、忘れずに手続きをしてください。
諸費用で予算オーバーしないための計算方法
「物件価格+諸費用+リノベーション費用」で総額を出す
中古住宅を買ってリノベーションをする場合、総額は物件価格だけでは決まりません。リノベーション費用の平均は、戸建で1,500万円、マンションで1,000万円です。
たとえば3,000万円の戸建を買ってリノベーションをするなら、物件価格3,000万円、諸費用240〜300万円、リノベーション費用を平均の1,500万円とすると、総額は4,740〜4,800万円になります。リノベーション分の借り入れや工事の契約にも手数料や印紙代がかかることがあるため、実際の総額はこれより増えることもあります。物件価格だけを見て「3,000万円の家」と考えていると、予算が大きくずれてしまいます。
諸費用もローンで払えるのか
金融機関によっては、諸費用もまとめて借りられる商品があります。ただし、自己資金がまったくない状態でのフルローンは慎重に考えてください。中古住宅は担保としての評価が取得価格を下回ることがあり、希望額を借りられないケースがあるからです。
また、リノベーション費用を現金で払うと、その分は住宅ローン控除の対象になりません。物件とリノベーションを一本のローンにまとめるかどうかは、物件を決める前に決めておきたいところです。
手元に残しておく現金も、最初から予算に入れておく
諸費用をすべて払い終えたら貯金がほとんど残らない、という計画はおすすめしません。引っ越し費用や家具・家電の購入、入居後の思わぬ出費に備えて、手元に残しておく現金も最初から予算の一部として考えておくと、気持ちに余裕を持って暮らし始められます。
税金の詳しい内容は「中古住宅を購入する際にかかる税金について知ろう!特例措置もご紹介」、登記の費用は「中古住宅の登記費用とは?相場やその他諸費用についても解説」でもまとめています。

まとめ
中古住宅の諸費用は、物件価格の8〜10%が目安です。中身は手数料、税金、ローンと保険の3つに分けられ、契約時・引き渡し時・入居後と、支払うタイミングもばらばらです。最初からこれを知っていれば、予算は組み立て直せます。
物件価格、諸費用、リノベーション費用を一度に試算するには、仲介とリノベーションの両方が分かっていることが必要です。私たちは、内覧のあとすぐに、リノベーションの概算までお伝えできます。物件を探し始める前に、総額の試算から一緒に始めませんか。初回相談で、あなたの予算の全体像を整理するところからお手伝いします。
このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役
積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。
甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。




