2026.10.30

中古住宅の固定資産税の精算金とは? 起算日で3万円変わる日割りの計算方法

中古住宅の売買契約が近づくと、資金計画書や契約書の案に「固定資産税精算金」という項目が出てきます。税金は自分で納めるものだと思っていたのに、なぜ売主さんにお金を払うのか。金額はどう決まっていて、払うのが当たり前なのか。はじめての方が戸惑いやすい項目のひとつです。

結論からお伝えします。固定資産税は、その年の1月1日に家を持っていた人に、1年分まとめてかかります。年の途中で家を買っても、その年の税金を納めるのは売主さんのままです。そこで、引渡しの日から後の分を日割りにして、買主が売主さんに払うのが精算金です。法律で決まった支払いではなく、契約書で決める慣行で、とくに「1年の始まりをいつにするか(起算日)」で金額が変わります。計算は単純なので、契約前に自分で確かめられます。

精算金は「売主さんが1年分納める税金」を日割りで分けるお金

固定資産税は1月1日の所有者に1年分かかる

固定資産税と都市計画税は、毎年1月1日時点で、市区町村の台帳に所有者として登録されている人にかかる税金です。この1月1日を「賦課期日」といいます。

たとえば11月に家を買っても、その年の1月1日の所有者は売主さんです。その年度の税金は、売主さんあてに納税通知書が届き、売主さんが最後まで納めます。

法律ではなく、契約書で決める慣行

ただ、引渡しのあとに家を使うのは買主です。そこで、引渡しの日から後の分の税金を、買主が売主さんに払って公平にする、というのが不動産売買の慣行です。

精算は法律で決まった義務ではないため、するかどうか、どう計算するかは売買契約書で決めます。実際には、ほとんどの中古住宅の売買で精算をしています。

精算金の計算方法

計算式は「年税額×買主の負担日数÷365」

計算式は次のとおりです。

  • 精算金=固定資産税と都市計画税の年税額×買主が負担する日数÷365日

年税額が12万円、引渡しが11月15日で、引渡しの日から買主が負担する契約だとします。1月1日を1年の始まりにすると、買主の負担は11月15日から12月31日までの47日です。

  • 12万円×47日÷365日=15,452円

うるう年は366日で割る契約もあります。引渡しの日をどちらの負担にするかも、契約書で決めておきます。

起算日が1月1日か4月1日かで、金額が変わる

もうひとつ、契約書で決めるのが起算日です。関東では1月1日を起算日にすることが多く、関西では4月1日にすることが多いといわれています。

同じ例で4月1日を起算日にすると、1年は4月1日から翌年3月31日までになり、買主の負担は11月15日から翌年3月31日までの137日になります。

  • 12万円×137日÷365日=45,041円

同じ家、同じ引渡しの日でも、起算日が違うだけで約3万円の差が出ます。どちらが正しいということはなく、売主さんと買主が合意した方で計算します。

起算日 1年の期間 買主の負担日数(11月15日引渡し) 精算金(年税額12万円)
1月1日 1月1日〜12月31日 47日 15,452円
4月1日 4月1日〜翌3月31日 137日 45,041円

住宅の鍵の引き渡し

精算金で迷いやすい3つの場面

1月から3月の引渡しは、前年の税額で計算することが多い

その年度の税額が分かるのは、4月から6月ごろに届く納税通知書が出てからです。そのため、1月から3月に引渡しをする場合は、新しい税額がまだ分かりません。この場合は、前の年度の税額をもとに精算するのが一般的です。

あとで税額が変わっても、改めて精算し直さない取り決めにすることが多いので、契約書にどう書かれているかを確かめておきましょう。

マンションは管理費・修繕積立金も精算する

マンションの場合は、固定資産税のほかに、管理費と修繕積立金も精算します。これらは月ごとに前払いで引き落とされていることが多く、引渡しの日を境に、買主が負担する分を売主さんに払います。月割りで計算する場合と日割りで計算する場合があるので、ここも契約書で確かめます。

翌年からは、自分あてに納税通知書が届く

引渡しを受けたあとの1月1日を迎えると、翌年度からは買主あてに納税通知書が届きます。精算金を払った年の分と、翌年度の分を二重に払うことはありません。

注意したいのは、12月に契約して1月に引渡しを受ける場合です。この場合、その年の1月1日の所有者は売主さんなので、その年度の税金は売主さんに課税され、1年分のほぼ全部を買主が精算金として払うことになります。

契約前に確かめておくこと

契約書の「起算日」と「基準の税額」を見る

契約書の案を受け取ったら、次の3点を見てください。

  1. 起算日が1月1日か4月1日か
  2. どの年度の税額をもとにするか
  3. 引渡しの日を、売主さんと買主のどちらの負担にするか

この3つが分かれば、上の計算式で精算金の見当がつきます。固定資産税そのものの目安は「中古住宅の固定資産税はどのくらいになる?税金の疑問を解決!」でまとめています。

資金計画に、精算金の現金を入れておく

精算金は、引渡しの日に残りの代金と一緒に払うのが一般的です。住宅ローンの借入額には入らないことが多いため、手元の現金で用意しておきます。登記費用や仲介手数料などと同じ「諸費用」の一部として、最初から資金計画に入れておきましょう。諸費用の全体像は「中古住宅の諸費用はいくら?「思ったより高い!」を防ぐ電卓1つの計算方法」で整理しています。

住宅購入の相談風景

しあわせな家では、資金計画を立てる段階で、精算金を含めた諸費用を物件ごとに計算してお伝えします。契約書の案も、起算日や精算の取り決めを事前に読んでいただいてから、契約の日を迎えていただいています。

まとめ

固定資産税の精算金は、1月1日の所有者である売主さんが1年分納める税金を、引渡しの日で日割りにして分けるお金です。法律ではなく契約で決める慣行なので、起算日が1月1日か4月1日か、どの年度の税額で計算するかによって、金額が変わります。

契約書の起算日と基準の税額を見て、「年税額×買主の負担日数÷365」で計算すれば、精算金は契約の前に自分で確かめられます。諸費用全体の見通しを立てたい方は、初回相談で、物件ごとの資金計画を一緒に整理するところから始めましょう。

このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役

積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。
甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。

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