2021.08.25
既存住宅売買瑕疵保険とは?買主が得られるメリットをチェック!
こんにちは。中古住宅仲介・リノベーションを行う不動産会社「しあわせな家」の高田です。
中古住宅は、購入・入居後に住宅の不具合や欠陥が見つかるケースもないとはいえません。
そんなときに修繕費用を補償するのが「既存住宅売買瑕疵保険」です。
既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の購入時にぜひチェックしてほしいものの一つ。
今回は既存住宅売買瑕疵保険の内容や必要性、費用の目安などを詳しく解説!
売主・買主ともにメリットがありますが、今回は買主にとってのメリットをご紹介します。
既存住宅売買瑕疵保険とは?詳しく解説!
既存住宅売買瑕疵保険(きぞんじゅうたくばいばいかしほけん)とは、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度です。
中古住宅を購入したのち、購入時には見つからなかった住宅の不具合や欠陥が見つかった場合に、その修繕費用などを補償してくれます。
瑕疵(かし)とは、不具合や欠陥のことを指します。
住宅は大きな買い物なので、「瑕疵担保責任」といって購入したあとに不具合や欠陥が見つかった場合、一定期間はその責任を売主に請求できることになっています。
※2020年4月の民法等の改正により、法律で定められる「瑕疵担保責任」は「不適合責任」と変更になっています
瑕疵担保責任期間は、新築住宅の場合は新築から10年間と定められています。
一方、中古住宅の場合は売主が不動産会社の場合は引き渡しから最低2年間、売主が個人の場合は1~3ヵ月とする特約をつけるケースが多いです。
そのため、瑕疵担保責任期間が過ぎたあとに不具合が見つかった場合、修繕は買主の責任となり、中古不動産を購入するときに不安材料となっていました。
「既存住宅売買瑕疵保険」に入っていれば、買主負担となる修繕費用なども補償を受けることができるため安心です。
保険期間は最長で5年間となっています。
ただし、すべての不具合や欠陥について補償を受けられるわけではありません。
補償を受けられるのは「構造耐力上、主要な部分および雨水の侵入を防止する部分」の欠陥です。
具体的には構造上必要な柱や壁、床、基礎、土台、外壁、屋根など。
屋根に穴が開いて雨漏りしている、外壁が割れている、構造上必要な柱や壁がゆがんでいるといったケースが該当します。
不具合や欠陥の修繕費用のほか、調査費用や補修工事中の転居費用、仮住まい費用などが補償されます。
既存住宅売買瑕疵保険の費用目安はどのくらい? 誰が払う?
既存住宅売買瑕疵保険は加入者により2つのパターンがあります。
売主が不動産会社の場合は不動産会社が加入する「宅建業者販売タイプ」。
売主が個人の場合は、売主が依頼した「検査機関」が加入する「個人間売買タイプ」になります。
個人の場合、原則として売主が依頼して保険に加入しますが、買主の依頼で加入するケースもあります(加入者は検査機関)。
既存住宅売買瑕疵保険を申し込むと、建築士による検査を行ったうえで保険に加入します。
費用は調査費用と保険料をあわせて7~15万円程度が相場です。
ただし、住宅の広さや契約期間、保険会社によって費用は異なります。
費用は保険加入者である売主が支払いますが、売主が個人の場合は売主・買主の負担割合を話し合いで決めることも。
既存住宅売買瑕疵保険は売主だけではなく、買主のメリットも大きいため、買主が全額負担するケースもあります。
既存住宅売買瑕疵保険で買主が得られるメリットとは
既存住宅売買瑕疵保険は買主にとってもメリットが大きいです。
3つの主なメリットをご紹介します。
不具合があった場合のトラブルが少ない
住宅に不具合があった場合、瑕疵担保責任期間は売主へ修繕費用などを請求することはできます。
しかし、購入から時間が経っていると売主である不動産会社が倒産していたり、個人の場合は支払い能力がなくなっていたりするリスクがあります。
保険に加入していれば、このようなリスクを回避できます。
また、長期間の契約期間があれば、法律や契約で指定された期間を超えて、補償を受けることができるので安心です(最長5年)。
不具合があったときにやり取りするのは保険会社のため、当事者同士のやり取りを避けられることもメリットでしょう。
加入前に検査を受けている物件だから安心
既存住宅売買瑕疵保険に加入するには、新耐震基準に適合していること、際三者機関の建築士による調査を受けることが必須です。
この時点で不具合が見つかれば、修繕してから加入することになります。
検査によって品質や耐震性が保証された物件ですので、安心して購入できますね。
税制優遇を受けられる
住宅の購入時にはさまざまな税制優遇措置があります。
たとえば代表的なものは、年末の住宅ローン残高1%が所得税から控除されるという住宅ローン減税。
中古住宅の場合は、築25年(非耐火構造の場合は20年)以内であるという条件があります。
ただし、既存住宅売買瑕疵保険に入っている物件は一定の耐震基準を満たすとして住宅ローン控除の適用が可能に。
そのほか、マイホーム買い替え特例、不動産取得税の特例、登録免許税の軽減なども対象となる場合があります。
既存住宅売買瑕疵保険は買主にメリット大! 加入済物件を選ぼう
既存住宅売買瑕疵保険は中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、中古住宅購入後に不具合や欠陥が見つかった場合に修繕費用などを補償する保険です。
住宅購入後に見つかった不具合について、保険に加入している物件ならその場合のトラブルやリスクに備えることができます。
中古物件では売主が責任を負う期間の定めは短いですが、保険によりさらに長い期間のカバーも可能です。
既存住宅売買瑕疵保険に入っている物件は、建築士による検査を経ているので品質の保証された物件ともいえます。
中古物件を購入する際は、ぜひ既存住宅売買瑕疵保険に加入している物件を選びましょう。
買主から依頼して保険に加入することも可能です。