2026.10.09

リフォーム済みでも配管は古いまま?中古住宅の給排水管を購入前に確かめる方法

中古住宅の内覧で、内装がきれいにリフォームされていると安心しますよね。でも、ふと「壁や床の中の水道管は古いままなのでは」「買ったあとに水漏れしたらどうしよう」と不安になる方も多いのではないでしょうか。特にマンションでは、水漏れが下の階に迷惑をかけることを心配する声をよく聞きます。

結論からお伝えします。給排水管の老朽化は、「見えないから分からない」ものではありません。配管の素材が分かれば、おおよその寿命と交換の必要性を判断できます。そして配管は、リノベーションと同時に交換するのがもっとも合理的です。本当に注意すべきなのは、配管が古いことよりも、交換したくてもできない物件を選んでしまうことです。ここでは、給排水管の老朽化を見分ける方法を整理します。

給排水管の老朽化は、なぜ心配されるのか

新築を買った・建てた人の約2割が「設備の老朽化」を理由に中古を選んでいない

国土交通省の調査によると、中古住宅にしなかった理由として「給排水管などの設備の老朽化が懸念されたから」を挙げた世帯は、注文住宅を建てた世帯で23.9%、三大都市圏で新築マンションを買った世帯で17.8%、新築の分譲戸建を買った世帯で15.8%にのぼります(出典:国土交通省「令和6年度 住宅市場動向調査」)。

リフォーム済みでも、配管が古いままのことがある

この不安には、もっともな理由があります。リフォーム済みで見た目がきれいな物件でも、壁や床の中の配管は古いまま、ということがあるからです。配管や断熱材が古いまま内装だけを新しくしても、しばらくすると問題が出てきます。表面だけのリノベーションは、10年以内に後悔することになりかねません。

水道管の寿命は、素材で見分けられる

素材ごとの耐用年数を知っておく

水道管の素材は、時代とともに変わってきました。そのため、使われている素材は築年数の目安になり、素材ごとにおおよその耐用年数も分かっています。

素材 耐用年数の目安 特徴
亜鉛メッキ鋼管 15〜20年 現在は使用禁止。赤水・腐食のリスクが大きい。1960年代以前の建物に多い
塩化ビニルライニング鋼管 20〜25年 つなぎ目に亜鉛メッキの素材が使われていると劣化しやすい
塩化ビニル管 40〜60年 耐用年数は長いが、給湯には向かない
架橋ポリエチレン管・ポリブテン管 30〜35年 つなぎ目がなく漏水のリスクが低い。メンテナンス性に優れる

たとえば、亜鉛メッキ鋼管が使われている物件なら、耐用年数をとうに過ぎていると考えられます。素材が分かれば、「この物件は配管の交換が前提になる」という判断ができるのです。

古い物件は、配管の「つなぎ目」の素材も確かめる

もうひとつ見落としやすいのが、配管のつなぎ目(継手)です。塩化ビニルライニング鋼管の場合、管そのものは問題なくても、つなぎ目に亜鉛メッキの素材が使われていると、そこから劣化が進みやすくなります。築年数が古い物件では、つなぎ目の素材まで確かめておきましょう。

配管の素材は、図面や修繕の履歴、現地での確認をもとに判断します。給排水設備の劣化は、住宅診断(ホームインスペクション)の重点的なチェック項目のひとつでもあります。

マンションの配管で、購入前に確かめること

配管が下の階の天井裏を通っていないか

マンションで必ず確かめておきたいのが、配管がどこを通っているかです。古いマンションの中には、自分の住戸の排水管が、下の階の天井裏を通っている物件があります。こうした物件では、配管を交換したくても下の階の住戸に入って工事をする必要があり、交換工事は実質不可能に近くなります。

内装がリフォームされていて見た目がきれいでも、この配管の経路は変わりません。マンションを選ぶときは、内装の新しさよりも、配管を交換できる造りになっているかどうかを優先して確かめることが大切です。マンションの配管について詳しくは、「中古マンションの配管の寿命やメンテナンスを確認!契約前の確認点も」でもまとめています。

マンションの寿命を決めるのは、建物より配管

鉄筋コンクリート造の建物の税法上の耐用年数は47年です。ただ、国土交通省の資料では、鉄筋コンクリート造の物理的な寿命は117年と推定されています。

それでも、高度成長期に建てられたマンションの中には、築50年ほどで取り壊されたものがあります。その原因は、建物の骨組みではなく配管でした。配管を交換することを想定した設計になっていなかったのです。マンションの寿命を左右するのは、建物そのものよりも、配管を更新できるかどうかだといえます。

配管の交換は、いつ・どうやるのがいいのか

配管の交換は、リノベーションと同時が最適

配管の交換は、リノベーションと同時に行うのがいちばんです。あとから配管だけを交換しようとすると、床や壁など周りを解体する大きな工事になってしまいます。リノベーションで内装を取り払うタイミングなら、配管を新しくする費用も手間も最小限で済みます。

つなぎ目のない「さや管ヘッダー工法」という選択肢

配管を交換するときには、「さや管ヘッダー工法」という方法があります。架橋ポリエチレン管やポリブテン管を使い、つなぎ目のない配管で各水回りにつなぐ方法で、漏水のリスクが低く、将来のメンテナンスもしやすいのが特徴です。

なお、配管を通す縦の空間であるパイプスペースの位置によっては、キッチンの通路幅を広げられないなど、水回りの計画に制約が出ることがあります。配管の交換と水回りの計画は、セットで考えておきましょう。

しあわせな家では、建築士やリフォーム業の経験を持つ技術営業が内覧に同行し、配管の素材や経路を確かめたうえで、交換の費用も含めたリノベーションの概算を内覧のあとすぐにお伝えしています。

事例集を広げて打ち合わせをする担当者とお客様

まとめ

給排水管の老朽化は、素材と経路を知れば判断できます。素材から耐用年数の目安を知り、マンションでは配管が下の階の天井裏を通っていないかを確かめる。そして、配管の交換はリノベーションと同時に行う。これだけで、「見えない配管が怖い」という不安は、計画できる工事に変わります。

気になる物件があれば、その配管を一緒に確かめましょう。初回相談で、配管の交換まで含めたリノベーションの考え方をお伝えするところから始めます。

このコラムを書いた人:山田 篤 (株)しあわせな家 代表取締役

積水ハウスで13年、起業して18年。「中古住宅購入×リノベーション」を軸に、売上高ではなくサービスの質で日本一を目指す。
甘い社名とのギャップが大きい「技術営業」という名のゴリゴリの目利き集団を率いて、「お客様のしあわせな家」を追求しています。

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