2024.04.29
リフォーム業界歴15年技術営業のミラノサローネレポート
インテリア好きにとって憧れの祭典「ミラノサローネ」に行ってきました。
ミラノサローネは毎年4月に開催される世界最大規模の家具見本市。
世界の基準点となる展示会であり、若手デザイナーの登竜門的な存在にもなっています。
サローネ会場だけでなく、ミラノ市内のいたるところでフォーリサローネと呼ばれる期間限定の空間展示も開催されていました。
会場入口の様子。人、人、人!!
今年は来場者数が36万人以上だったそうです。
「持続可能性とテクノロジーの融合」が大きなテーマで環境にやさしい素材やデジタル技術を取り入れた製品が多くみられました。
なかでも驚いたのが、ネスプレッソのカートリッジが入る水栓金具。(写真左側)
手前の水栓金具は下部に電子ダイヤルがついていて温度設定ができます。
水口が竹の水栓金具
ウッドとガラスを使った組み合わせが多かった気がします。
脚がガラスのテーブル。
天板にガラスが見えているデザインがなんとも可愛らしい。
こちらは逆に脚の一部をウッドにしたデザイン。どちらも素敵です。
洗面台がガラスになっているものもありました。水垢を気にしてしまいそう。。。
こちらはガラス製のウォールラック。
透明でなく色が入っているところに惹かれました。
ローテブルもカラーガラスです。可愛らしいですね。
最近のトレンド「ジャパンディ」デザインを取り入れたものも目立ちました。
間仕切りが障子。壁は珪藻土のような塗り物で仕上げています。
バタフライスツールやムライスツールのようなデザイン。座りごごちもなかなか良いです。
グリーンとウッドの組み合わせが「和」テイストが感じられます。
こちらはなんと畳が使われていました。しかも壁とキャビネット部分に。斬新な発想です!!
フォーリサローネでは、アジアのデザイナーによる様々な展示がありタイ、バンコクなど良いデザインのものに触れることができました。
そんな中、出会ったのは“古着のデニム”を使用した一脚の椅子。3Dプリンターで製作したというこの椅子は、デニムを粉末にし、それを樹脂と混ぜてできたプラスチックのような素材で作られていました。技術の進歩を感じるとはいえ、ここまではよくある話。なのですが……実は、その椅子の下にはベロアのような生地が敷かれており、スタッフから「これも同じ素材でできている」と聞かされて衝撃。デニムの粉末に混ぜる樹脂の割合を変えることで、“硬さ”も“手触り”もまるで異なる素材に仕上がるというのです。私は「デニムってすごい!」と無限の可能性を感じると共に、驚きすぎて写真を撮り忘れる、という大失態を犯すのでした。が、奥野くんが撮影した写真を拝借。
こちらもフォーリサローネのedraの展示会場。
歴史的建造物の中に家具が展示されていて、なんとも神秘的でした。
正直家具よりも空間に目が奪われてしまいました!
トータル2日間、1日平均25,000歩あるいていましたが、目に映るものが新鮮であのお客様が好きそうだな、これは今度提案できるぞ、と考えながら廻っていたのであっという間でした。私の好きなウッドやアイアンを使ったデザインも多く、色の組み合わせや素材の使い方でこんな見せ方もできるのかと目から鱗な体験ができました。やはり新たな知識をインプットすることはとても大事であり、楽しいことだと気づかされた2日間でした。この体験をお客様の提案に活かすようにしていきます。
観光もしました。
私のミラノのイメージは、教会があってレンガ作りの建物があって路面電車が走っていて。。。と歴史のあるヨーロッパのイメージでしたが、実際は古い建物と新しい建物がミックスされた不思議な町でした。
センピオーネ公園にある平和の門。パリの凱旋門とほぼ同じ時期に作られたそうです。ザ・ヨーロッパのイメージドンピシャです。
つづいてガッレリア。
大聖堂広場とスカラ座広場をつなぐ通路として建設され、世界的に有名なブランドショップが建ち並ぶアーケードです。
ガッレリア前の広場にあるドゥオーモ(大聖堂)。大理石で500年かけて造られたそうです。
テラスがあり屋根部分をぐるっと一周できます。屋根材もすべて大理石で驚きました。
新旧ミックスが分かる写真。テーマパークにいるような気分でした。
上の写真真ん中奥にあるビルにも行ってきました。
こちらは再開発地区にあるシティー・リフェという複合施設です。
それぞれ個性的なデザインをした3本のタワー。中でも注目は、右奥にある「アリアンツタワー」。なんと、日本人建築家・磯崎新氏とイタリア人建築家アンドレア・マッフェイ氏が共同設計したものなのだとか。磯崎氏は“建築界のレジェンド”として知られているとはいえ、まさかこのタイミングで日本人が手掛けた建物を目にするとは思わず、嬉しさと同時に誇らしい気持ちに。そして、左の「ジェネラーリタワー」は、“曲線の女王”として知られるザハ・ハディッド氏のデザイン。中央の「PWCタワー」はダニエル・リベスキンド氏が設計を担当しています。
ちなみに、下の写真の住居棟もハディッド氏とリベスキンド氏が手掛けたもの。日本の建物にはない感覚があり、その可愛らしさが今でも強く印象に残っています。
ショッピングモールも併設されており内装も素敵でした。天井、柱はウッドです。
サローネ会場の目の前にあったホテル。曲がってます。ミラノの人は曲線が好きなんでしょうか?
ずっと訪れたかったヨーロッパ。
出発前から期待していましたが、その期待をはるかに超える満足度です。
イタリアの歴史、住・食文化にも触れることができ自分自身の見解が広がりました。
いくつになっても良い刺激は必要だなと改めて思う旅でした。
※今回、フランクフルト経由でミラノに行きました。
フランクフルトの空港がなんとも工業的でドイツらしさを感じました。
日本人としては地震が来たらどうなるんだ?といらぬ心配をしてしまいましたが素敵なデザインでした。
ビールも最高でした。
来年はフランクフルトにいきたいです。
ありがとうございました。