2026.07.25

築20年の戸建は資産価値ゼロなのか、それとも買い時なのか?

築20年前後の中古戸建を検討していると、「このくらいの築年数だと資産価値はもうほとんど残っていないのでは」と不安になることがあります。一方で、価格が下がっているなら「むしろ今が狙い目なのでは」という期待も同時に浮かぶのではないでしょうか。

実は、築20年は資産価値が消えてしまう年数ではありません。建物価格の下落がほぼ底を打つ年数です。下がりきった建物価格は悪い知らせではなく、中古住宅にリノベーションを組み合わせるという選択が最も合理的になるタイミングを示すサインだと私たちは考えています。今回は、この「底打ち」が何を意味するのか、そしてそこから先どう物件を見ればいいのかを、順番に整理していきます。

「築20年で資産価値ゼロ」と言われるのは本当か

建物の価格は右肩下がりに落ち続けると思われがち

中古住宅サイトで築20年の戸建を見ると、「もう古い」「資産価値がない」と感じる方は少なくありません。新築の価格を基準に、時間が経てば経つほど価値がどこまでも下がり続けていく、というイメージを持っている方が多いためです。

実際は20年前後で下落が止まる

しかし、建物価格の下落は永遠に続くわけではありません。戸建はおおよそ築20年で価格の下落がほぼ底を打ちます(マンションは築30年が目安です)。「まだ下がる途中」だと思っていた物件が、実は「もう下がりきったところ」にいる、というケースは珍しくありません。築年数だけを見て「古い=まだ値下がりする」と判断してしまうと、この事実を見落としてしまいます。

なぜ戸建の価格は築20年で下げ止まるのか

下がっているのは「建物」の評価であって「土地」ではない

戸建の価格は、建物部分と土地部分に分けて考えることができます。年数が経つにつれて下がっていくのは建物部分の評価であり、土地そのものの価値がゼロに近づいていくわけではありません。建物の評価が下がりきったところまで来ると、そこから先は主に土地の価値が価格を支える形になり、下落のスピードが緩やかになっていきます。

底値まで下がった建物にリノベを重ねるとどうなるか

建物価格が下がりきった物件は、購入価格に占める建物部分の比率が小さくなっている状態です。ここにリノベーション費用を足しても、新築や築浅物件を購入する場合に比べて総予算を抑えやすくなります。「価格が下がっている」という事実は、裏を返せば「中古とリノベーションを組み合わせる選択がもっとも合理的になりやすいタイミング」でもあるということです。

「資産価値ゼロ」に見える家こそ、中身を見極める必要がある

木造住宅の寿命は50〜60年。価格の下落年数とは別の話

ここで整理しておきたいのが、「価格が下がりきる年数」と「建物として住める年数」はまったく別の指標だという点です。木造住宅の寿命はおおよそ50〜60年が目安とされています。築20年で価格が底を打ったとしても、それは建物としての寿命が尽きたことを意味しません。むしろ、そこからまだ長く住める期間が残っている、と捉えるほうが実態に近いといえます。

見た目の古さと構造の健全性は一致しない

とはいえ、すべての築20年の戸建が同じ状態にあるわけではありません。同じ築年数でも、これまでのメンテナンスの積み重ね方によって、構造の健全性は大きく変わります。見た目が古びていても骨組みがしっかりしている家もあれば、リフォームで表面はきれいでも、配管や断熱材といった見えない部分の老朽化が進んでいる家もあります。この違いを見抜くには、図面の有無やリフォーム履歴を確認できる目が必要です。

一般的な不動産会社の担当者は宅地建物取引士で、法律と書類の専門家ではあっても、建物の構造や劣化を判断する訓練は受けていません。しあわせな家の担当者は建築士やリフォーム業の経験を持つ「技術営業」で、図面の有無、外装のリフォーム履歴、配管の経路といった、宅建士だけでは判断が難しい部分まで内覧の段階で確認しています。申込み後、売買契約を結ぶ前には、第三者機関によるホームインスペクション(住宅診断)を実施することも標準的な流れにしており、契約後になって初めて構造上の問題が分かる、という事態を避けられるようにしています。

築20年の戸建を選ぶなら、次の10年・15年をどう備えるか

今後かかるメンテナンス費用の目安

築20年の戸建を選ぶ際は、購入価格だけでなく、そこから先にかかる費用も合わせて考えておく必要があります。外壁塗装や防水工事など、戸建を持ち続けるうえで必要になるメンテナンス費用は、15年間でおおよそ300万円が目安です。月あたりに換算すると1.5万円ほどを積み立てておく計算になります。マンションであれば管理費・修繕積立金という形であらかじめ徴収される仕組みがありますが、戸建にはこの仕組みがありません。「毎月請求されないから」とメンテナンス費用の存在自体を意識せずに過ごしてしまうと、いざ外壁や屋根の修繕が必要になったタイミングでまとまった出費に驚くことになります。

「安いから」で終わらせず、10年後までの総額で考える

築20年で価格が下がりきった戸建は、購入価格だけを見れば魅力的に映ります。しかし本当に見るべきは、購入価格にリノベーション費用と今後のメンテナンス費用を足した、10年後・15年後までの総額です。この視点を持てるかどうかが、「安いから買った」で終わるか、「見極めて買った」と言えるかの分かれ目になります。

まとめ

築20年は、資産価値が終わる年数ではありません。価格が落ち着き、建物の中身を見極める目が必要になる年数です。同じ築20年の戸建でも、その先に何年住めるか、どれだけの費用がかかるかは、物件によって大きく異なります。

この家、あと何年住めるか、一緒に見極めてみませんか。築20年という数字だけで諦める前に、まずは初回相談で、気になっている物件やこれからの探し方について整理するところから始められます。

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