2世帯住宅の間取りと広さで
「自宅で開業」の
理想を叶える家
Part1
- 海老名市 M様 中古戸建を大規模リノベーション
家族構成:ご夫婦 築年数:18年
自宅での鍼灸整骨院開業を希望していたご主人には、特別な思いがありました。「コミュニティスペースを併設して、医療だけに収まらない総合的な健康を目指す場所をつくりたい」そんなご主人の思いに、役目を終えようとしていた2世帯住宅がちょうどマッチしました。自宅で開業しながら、夫婦の暮らしも大切にする、新しい家づくり。
売却は難しいと言われる2世帯住宅、
だからこそ実現した理想の開業プラン。
2世帯の暮らしやすさを追求した2世帯住宅は、その広さゆえに活用法が難しい。ここも駅近のいい場所なのになかなか良い買手がつかない、勿体無い物件でした。
そんな2世帯住宅が、自宅で鍼灸整骨院も出来る家を探していたMさんの目に、理想的な場所として映りました。
玄関が2つ、駅近の好立地、広さもあるのに新築するよりずっと予算が抑えられる。リノベーションに興味があった奥様も、購入額が抑えられる分、自分たちらしい空間がつくれるとイメージが膨らんだと言います。
ネットの時代になって、自営で何かを始めやすくなったとはいえ、店舗を持つのはハードルが高いもの。自宅のプライベートスペースと店舗部分をきちんと分けられる「中古2世帯住宅+リノベーション」は、新しい選択肢となりそうです。
コミュニティスペースが併設された鍼灸整骨院。
待合室は人の賑わいを感じる空間に。
Mさんの鍼灸整骨院の最大の特徴は、コミュニティスペースが併設されていること。「施術だけで治せる部分には限界がある。場所を用意できればヨガやピラティスのインストラクターの人と一緒に仕事ができるかもと思ったんです。」
始まりは「体操教室が開ける場所」でしたが、様々なワークショップが開けるレンタルスペースも兼ねています。交流の場所が隣にあれば、鍼灸整骨院を訪れた方にも気軽に参加してもらえます。
「治療を受けるだけの場所ではなく、来ることが楽しい場所になって欲しい。」治療に頼らない身体づくりを目指すMさんの思いです。
待合室の壁の上部はガラスに。採光のためだけではなく、鍼灸院とコミュニティスペースを隔てる壁が閉鎖的にならず、コミュニティスペースを利用する人の気配が伝わるようにという工夫。あえて残した筋交いがアクセントなりました。
コミュニティスペースは
フレキシブルな使い方ができる構造に。
鍼灸整骨院は「健康への意識の芽を育てる」をテーマに、
コミュニティスペースは「才能の芽を育てる場所」という意味を込めて“芽育(めいく)”と名付けられました。
習い事や趣味で新しく学びはじめる人は来やすく、自分の資格や特技を生かしてこれから講師を始める人も使いやすく、「それぞれの芽が育つ場所」として使ってもらえたらとの思いがあります。
「芽を育てるには水と太陽が必要だから」、コミュニティスペースをグリーンルーム(芽)、オレンジルーム(太陽)とし、鍼灸整骨院のテーマカラーを水色に。扉は既存のものを再利用しながら、DIYでテーマカラーに。
1部屋ずつ同時に使っても、2部屋つなげて使ってもいいように、広さと動線を確保。お茶を出せるようにと、キッチンも既存のものを再利用。キッチン・トイレなど、設備費のかかる水回りが2セットあるのも、2世帯住宅のいいところ。予算を抑えながらも使いやすさにこだわった設計が可能です。
Pick Up
木の壁が実はホワイトボードに!
遊び心が詰まった明るい施術室。
施術室の明るい木目の壁は、なんとホワイトボードのように使えます。図解しながら痛みの原因を説明したり、お連れの小さいお子さんにお絵描きしながら待っていてもらったり…。
ホワイトボードでも用は足りますが、周りが真っ白より、木の温もりで落ち着くし“ときめき”もあリますよとリフォーム担当の望月からご提案。
「一見ただの木目の壁に見えるので、突然書き出すと患者さんが驚かれるんです。自然と笑いが起きて場が和みます。大成功です。」
ボードの加工はMさんのDIY。便利さに遊び心もプラスして、患者さんにも心地いい空間になりました。
物件契約がまだでもプランはどんどん進む!
思わず“ 買います! ”って言うのを忘れるくらい
プランの打ち合わせが楽しい。
「普通なら“契約前のご提案は1プランまで”とか言われてしまうのに、リフォーム担当の望月さんは私たちの希望に合わせて率先して提案してくれたんです。そのプランが“こんな風にしたかったんです!”っていう、私たちにピッタリなプランなんです。打ち合わせが楽しくて、“買います!”って言うのを忘れていたくらい。」と思い出し笑いの奥様。
売却をご依頼いただいている物件を活かすためにも、購入者様の希望に合う物件かどうか、ちゃんと考えていただくためにも、プランのご提案はとても大切です。いかにマッチするプランがご提案できるか考える過程は、デザイナーにとっても楽しい時間なんです。
扉を開けた瞬間に感じる気持ち良さ。
帰るのが楽しみになる癒しのリビング。
とにかく明るく広く。細切れになって暗い印象だった間取りを大胆に変更。もともとあった天窓付きの勾配天井を活かして広く明るく。キッチンをオープンにして、大人数集まってもみんなでキッチンに立てるように、十分なスペースを確保しました。柱はあえて残して強度を保持、構造体を一切いじめていないのに、広々とした気持ちのいい空間ができました。
「リビングは生活の中心。帰って来て扉を開けるのが楽しみになるような、癒しの空間にしたかったんです。」
奥様が大好きな色を探したグリーンの壁、踏み心地の柔らかさにこだわった無垢の床、空気まで違って感じる癒しのリビングです。
みんなで DIY したグリーンの壁。
筆の跡に残る楽しかった思い出。
「このグリーンの壁、みんなで塗ったんですよー!」とMさん夫妻。
下地の壁紙は予算を抑えつつ、ちょっとテクスチャのある壁紙をチョイス。フラットよりも自然な仕上がりになりました。
「ここ!ちょっと筆の跡が残ってるの分かりますか? 塗り始める前に、記念に日付を落書きしたんですよ。しっかり書きすぎて残っちゃいましたー」
とまたまた思い出し笑い。壁にも家づくりの思い出の跡、見るたびに楽しかったことが蘇ります。
楽しむ心が叶える理想の家。
「“コミュニティスペース併設の鍼灸整骨院”なんて特殊な考えを、自分たちと同じように“いいですね!”って面白がってくれたんです。アイデアを出し合って、いつも打ち合わせが楽しかったですね。」とご主人。
お話を伺っていると、“ここはこんな工夫があるんです!”とMさん夫妻も担当者も一緒になって熱く語る、そして絶えない思い出し笑い。
斬新なアイデアもきちんとした知識が根底にあるから、実現可能なプランへと繋がってゆきます。楽しむ心を忘れないことが、理想の家実現への近道なんですね。