きっとホームパーティーしたくなる
スカイツリーを臨む住まいのデザイン


- 東京都墨田区 中古戸建てを大規模リノベーション 築年数:29年
東京都隅田区、窓からスカイツリーが見える立地に、築29年の物件が売りに出されました。築年数は経っていますが、躯体は強靭でしっかりとした造り、内装リノベーションに力を入れられる物件でした。今回は、住む方が決まっていないところからスタートする買取再販の事例です。しあわせな家のデザイナーが、専門的な知識と独自の視点で物件を考察、そのポテンシャルの高さを発揮できる住まいの形を考え、楽しみながらつくり上げたリノベーションデザインのご紹介です。

しあわせな家ならではの買取再販を目指して。
しあわせな家が手掛けるリノベーション事例は、お客様の思いに寄り添った、住む方のためだけに考えられたオリジナルな設計ばかりです。今回は住む方が決まっていない買取再販のリノベーション、いつもとはちょっと違うアプローチです。
買取再販住宅というのは、不動産会社が中古住宅を買い取り、リフォームやリノベーションを施して新たな価値を付加してから再販売する住宅のことです。デメリットとして、業者によって施工の質にバラつきがあり、目に見えない配管や躯体の劣化が隠れているリスクがあると言われています。
しあわせな家の技術営業は、大手リフォーム会社経験者も多い知識豊富なプロ集団。それぞれの工法の違いにも精通しているので、内部構造も正確に把握、見えないところも含めてしっかり対応します。
「しあわせな家だからできる買取再販のカタチを目指しました。」と技術営業の勝浦。

コンセプトのある住まいをつくる。
今回リノベーションを担当したのは、技術営業の勝浦と技術営業アシスタントの中島。デザイン先行というのは初の試み、最初に2つのことを決めました。
• コンセプトのあるデザイン・設計にすること。
• 販売価格のことも考え、予算は使い所にメリハリをつけて抑えること。
「こちらの物件のおすすめポイントは、何と言ってもスカイツリーが窓から眺められる立地です。お客様を招いたり、夜ライトアップしたスカイツリーを眺めながらお酒を飲むのもいいよねってことで、コンセプトは“ホームパーティーしたくなる住まい”にしました。」と中島。
リビング奥につくったコアガリの一角が、スカイツリーを見ながら過ごせるカフェコーナーです。リビングからそのままつながったスペースに見えるように、同じ板材で壁まで縦方向に貼っているのがポイント。カウンターを造作することで、スペースの用途を明確にしています。
躯体構造を読み解き、天井高3.4m、30畳の広いリビングを実現。
古い物件には図面が残っていない場合が多いのですが、施工会社名からこちらの建物はパネル工法と判明しました。
「パネル工法は躯体が強く、面で家を支えているので耐震にとても優れています。こちらの建物は大手の建築会社が手掛けていたので質も良く強靭、築29年でも耐震補強は必要ないほどでした。」と技術営業の勝浦。
既存の間取りでは、細長い空間を仕切るように部屋がつくられ、広い空間がありませんでした。間取り変更がしづらいパネル工法ですが、2階にひとつ外せる壁があり、これなら広いリビングが確保出来ると判断、ホームパーティーのイメージができました。分断されていた空間をひとつにつないで、30畳もの広いリビングが実現しました。

Pick Up

天井裏収納を無くして天井を高く、
外せない梁は照明の目隠しに利用。
既存では天井裏に収納がありました。通常はできるだけ収納を残す方向になりがちなのですが、ここはリビングの心地良さを優先、天井裏を無くすことで、天井高3.4が実現しました。
外せない梁をあえて露出させてデザインの一部にすることもありますが、ここでは天井と同化させて存在感を消しています。
梁の裏側に照明を設置、シンプルで美しい空間デザインです。
室内にミニキッチンを設計、来客時だけでなく日常にも便利な存在です。
コアガリのカフェコーナーにはミニキッチンをつくりました。こちらは既存では押入れだったスペース。シンクの反対側には冷蔵庫を置くスペースもあります。来客時はもちろんのこと、くつろぎタイムにも飲み物を用意したり便利に使えそうです。ミニキッチンの床材は、汚れに強くテキスタイルの表層を持つフロアタイルを採用、無垢のフローリングとの相性も良く素敵です。



フローリングは、明瞭な木目と白く美しい木肌の「北海道セン」を贅沢に使用。
白くマットな質感が美しい「北海道セン」は、明瞭な木目でありながらラフな印象にはならず、上品な佇まいでモダンなデザインにもマッチします。白木のマットな質感をキープするために、黄色っぽくなる現象を抑える効果のあるLIVOSクノス白木塗装を施しています。安全性能にも優れた塗料なので、赤ちゃんがハイハイしても大丈夫、ホームパーティー中の子どもの遊び場にしてもいいですね。
カフェコーナーは、コアガリにすることで空間をゾーニングしています。一段高くなることで天井を低く感じ、落ち着ける効果が得られます。コアガリの高さに合うソファを横に設置することを想定、ソファからそのままコロンと移動できます。さらさらとした北海道センの質感が気持ち良さそうです。


Pick Up

木部接合部分の細部までこだわった丁寧なデザイン設計。
コアガリの北海道センが使われたアクセント部分は、細部にこだわった特別な造りです。窓枠周りも同種の木材で丁寧につくり込まれています。
壁と床の接合部には通常巾木が使われますが、ここには使われていません。段差部分のコーナーも木材のみで美しく仕上げられています。高度な技術を要する施工ですが、細部にこだわったデザイン設計が、とっておきの上質空間をつくり上げています。
ダイニングテーブルを置かなくても成立する、魅力的なキッチンの設計提案。
キッチン横のダイニングにはダイニングテーブルが置かれた風景が一般的ですが、こちらのキッチンはあらかじめテーブルが一体化しています。大勢の人が集まってもゆとりのあるキッチン周りの動線を確保し、リビングにつながる空間に遮るものがないようにと設計されました。新しいキッチン+ダイニングのカタチの提案です。

キッチン周りには人が集まる空間を意識した工夫が盛り込まれています。
シンプルなL型キッチンに造作でカウンターを設置しました。高さも長さもピッタリに合わせているので、全体がコの字型のキッチンのようです。コの字型は動線が良く、作業スペースも広いので、とても使い勝手のいいキッチンです。ホームパーティーでは、出来た料理をカウンターに並べて置けるので提供がスムーズ、ビュッフェコーナーにするのもいいですね。コンロは横並びの3口のものをセレクト、手前にスペースができるので、ちょっと飲み物を置いたりできて便利です。広いカウンターは、日常使いでは椅子を置いて食事をしたり、ちょっとしたワークスペースとしても使えます。リビングから見えない壁裏に扉付きの大容量のパントリーとオープンの収納を設置しました。




Pick Up

メラミン化粧板を加工してつくった
オリジナルの円形テーブル。
キッチン周りのデザインのポイントとなっている円形テーブル、カウンターに食い込んでいる形が斬新です。汚れが目立たないように表面加工された黒のメラミン化粧板を円形にカットし、カウンターと一体になるように設計されました。
脚は一本ですがとてもしっかりとした造り、重心のバランスが緻密に計算されています。一本脚は、椅子が置きやすく、椅子がない時も美しい佇まいです。
アールの壁とシックな色使いで魅せる
来客用トイレスペース。
2階のトイレスペースは来客時を意識したデザイン、美術館みたいな公共の場にありそうな素敵なトイレスペースです。ポイントはアールのデザイン、壁のコーナーをアールにし、ミラーや洗面ボールもアールのデザインのものを合わせました。壁のコーナーをアールにすると少しスペースが狭くなりますが、陰影が柔らかくなるので圧迫感がなく心地よい空間になります。
スイッチのある部分は、あえて壁に段差をつくり縦のラインをデザインして、スイッチの存在が浮かないように配慮するなど、細部まで考えられた設計です。
シックなブラウンとホワイトのツートンカラーをブラックが引き締め、落ち着いた雰囲気に仕上げています。



既存動線の狭さを緩和する間接照明と、モノトーンのクールなデザイン演出。
既存の廊下や階段は、もともと細長い敷地に建っていることもあり狭めでした。こちらの物件は躯体構造がパネル工法のため、1階の間取りは変えることができません。
玄関から続く廊下は9m、暗くならないように廊下の端から端までの天井に間接照明を設置しました。壁はシンプルに白く、床には石目調のフロアタイルをセレクト。ここは来客の動線となるスペースなので、モノトーンでまとめクールな雰囲気に。あえて無機質にすることで、2階の無垢材の暖かい雰囲気とのギャップをつくり、リビングで視界が一気に広がる開放感を演出しています。


来客時にも役立つ洗面スペースは、アールの造作壁とゴールド使いで特別感を。
既存では玄関から入ってすぐの右手に物入れ、左手にはキッチンがありました。二世帯住宅だったため、1階2階それぞれにキッチンがありましたが、これからは1階キッチンは不要、ここに収納を集約した大容量の納戸を設定しました。右手の物入れも不要となり、ワークスペースに。玄関からの動線にある洗面スペースは、来客時にもとても便利です。廊下の壁に開口ができたことで、廊下の狭さも緩和されました。
デザインのポイントは、アールの開口と落ち着いたゴールド使い、グレーのカウンターとくすみグリーンのタイルとの組み合わせが素敵です。

寝室は味のある端材でヘッドボードを造作、ラフな雰囲気と絨毯の組み合わせで暖かい印象に。
寝室はリラックスできるように、味のある木材と絨毯の組み合わせで、暖かい雰囲気にデザインされています。まだベッドが入っていないのでイメージしにくいですが、壁の造作はヘッドボードです。ベッドを2つ並べる想定で長くつくられています。素材はあえて端材の組み合わせを使い、暖かみのあるラフな雰囲気を出しています。
ヘッドボードには厚みを持たせ、携帯電話などをちょっと置けるスペースを確保。左右にはコンセントと照明をコントロールできるスイッチも設置しています。寝室奥には奥行きのあるオープンラックと、PCコーナーにもなるデスクを設置。入り口側にはWICを設けるなど、住む方の暮らしをイメージしながら、機能面も細かく設計しました。



家具を選んでデザインを完成させる楽しさ。
こちらの住まいは、完成して間も無く購入者が決まりました。ご実家が近所で、幼い頃からこちらの家をご存知の方でした。
記憶に残っていた建物の内装との違いに驚いたそう。外観からは想像もできないほど広いリビングと、2階のトイレのデザインが特に気に入られたそうです。
取材に訪れた時には、これから入れる家具やカーテンを相談されていました。買取再販物件は、購入時にはすでにリノベーションが出来上がった状態で引き渡されますが、そこで終わりではなく、住まいは家具やカーテンが入って完成されます。
インテリアのコーディネートの相談をしたり、まだまだ一緒につくりあげる楽しみが残っていますね。







