テレワークから考える【家族構成別】4つのプラン
ここに、ひとつの標準的なマンションプランがあります。
約75㎡の3LDK。対面キッチンにリビング横の和室6帖。真ん中に廊下があり、北側には洋室2つ。日本全国、この間取りにお住まいの方は何万人いるでしょうか?
「自宅で仕事をする」ことに、真剣に向き合わなければいけなくなった今、もし皆さんがこの間取りを自由にリノベーションすることができたら、どんな間取りにしますか?
4人の弊社デザイナーが、4つの家族構成を設定し、4プランを作成してみました。
きっと「なるほど!」がたくさん詰まっているはずです。なお「ホッとスポット」とは、テレワーク中に「ホッとひと息つける場所」のことで、私達が造った言葉です。
テレワークから考える【家族構成別】4つのプラン
①40代女性一人暮らし
〇コンセプト
仕事とプライベートのメリハリをつけつつ、好きな物に囲まれて暮らしたい
〇人物像
・事務仕事をしており基本はテレワーク。
・本が大好きで種類を問わず大量にある。
・たまに一人娘が本を目当てに遊びに来る。
〇プランのポイント
・東側の壁に本棚を造作し、大量に収納できるように。
・部屋のあちこちにソファやイスがあり、その時の気分で好きな所で本を読むことができる
・キッチンはなるべくコンパクトに、来客時にはカウンターで食事もできる。
〇テレワークスペース
・インナーテラスにすることで空間を分け、仕事とプライベートのメリハリをつける
・長めのテーブルにはプリンタなども置ける
〇ホッとスポット
家の中にたくさん置いてあるソファやイス
②40代夫婦二人暮らし
〇コンセプト
生活時間帯が異なることが多い夫婦。就寝時間が合わないこともあり、寝室は別々にしたい。お互い気を遣ったり我慢することなく、ONOFFの切り替えをしやすい家にしたい。
〇人物像
ご主人
・会社員、土日祝休み。勤務地が変わることが多く、夜勤などもある。テレワークは基本不可だが、メールチェックや事務作業など、家ですることもある。
・休日に家に居るときはもっぱらネットテレビでアクション映画鑑賞。大きいソファに寝ころがりながら大画面で観るのが夢。
奥様
・フリーランスのお仕事。締め切り間近だと早朝から深夜まで仕事をすることもあり、集中できる個室が欲しい。
・片付けが苦手なので平日の朝昼はキッチンカウンターで食事を済ませたい。
〇プランのポイント
・ただ寝室を分けるだけでなく、奥様の寝室と仕事部屋をウォークスルークローゼットで行き来できることで、深夜に移動するときも廊下の足音や扉の音を気にしないで生活ができる
・ワークスペース⇔キッチンの動線が短いのでちょっと休憩したり、飲み物を補充したりすることも楽にできる
・キッチンカウンターをキッチンと極力フラットに揃えることで、ダイニングテーブルへの配膳がしやすいキッチンに。カウンタースツールならキッチンカウンターで食事も。
〇テレワークスペース
・ご主人は1人には広めの寝室にパソコンデスクを。奥様は個室を確保。本棚の上部に窓を設けることで採光がとれ、寝室とリビングの窓が繋がるため換気も良好に。
・ウォークスルークローゼットの入口をアーチ開口にすることでコンパクトな空間に柔らかさや居心地の良さが出て、クリエイティブな発想にも繋がる。
〇ホッとスポット
広々としたリビングダイニング W2400×D900(D1600)のソファでゆっくりくつろぎながら60型テレビで映画鑑賞。大きいソファを置いてもヨガやストレッチができるスペースが取れ、外に出られないことによる運動不足も解消できて心身ともにホっとできる。
③30代夫婦+お子様1人の三人暮らし
〇コンセプト
友達を招いてホームパーティーを行うことが多い3人家族。
広いLDKは欲しいがきちんと個室・仕事部屋も確保しておきたい。
〇人物像
ご主人
会社員、コロナの影響でテレワークになったが、緊急事態宣言解除後もしばらくは続く予定。会社はオフィスの床面積を縮める計画をしているので、今後も週3日程度のテレワークが予想される。近い将来独立も考えている。
奥様
会社員、テレワークの際は寝室やダイニングで仕事をしていたが、ON・OFFのメリハリがつかない為、仕事専用の部屋が欲しいと思っている。
男の子5歳
運動が好きで最近野球を始めた。自転車にも乗れるようになったが、駐輪スペースに空きがないため仕方なく共用廊下に置かせてもらっている。
〇プランのポイント
・友達ともキッチンに立てるオープンな二列型キッチン
・造り付けのベンチで大人数の来客にも対応可
・玄関には息子の野球道具と自転車を停めるための土間収納
〇テレワークスペース
はんぶんこの進化版「さんぶんこ」。 上段は2人のワークスペース。天井高が低く少し圧迫感があるのでリビング側には大きな室内窓。仕事モードに切り替えるために、廊下やLDKから直接の出入りではなく前室を設ける。階段も、登るときには「仕事するぞ!」降りるときには「今日も頑張った!」のメリハリグッズに。下段は読書やTVゲームを心置きなく出来るスペースに。テレワークスペースには仕事の道具以外持ち込まない。将来もう一人子どもができたとしたら、デスクを撤去して上段を寝室に、下段を子どものクロークとして使う。
○ホッとスポット
開放的なLDK 横にもなれる奥行きのあるベンチ
誰にも邪魔されない、一人になれるさんぶんこ下段
④30代夫婦+お子様2人の四人暮らし
〇コンセプト
週末にはご主人もキッチンに立ち、子どもたちとみんなで食事の支度をする仲良し家族。
大きなキッチン・広いリビングダイニングが欲しい。寝室や子ども部屋等の個室は最低限の広さがあればOK。
〇人物像
ご主人
公務員 土日祝休み 常に忙しいが、家族と夕食をともにしたいので、基本的に定時で退社後、夕食を家族と食べてから、家で持ち帰った仕事をこなす。
週末はボクシングジムでスパークリングをして汗を流すのが楽しみ。釣りも好きで、釣った魚は自分でさばいて、子どもたちとも一緒に料理を楽しむ。
奥様
専業主婦 インテリアや料理に興味があり、子どもが大きくなったら、お料理教室を主宰したいと思っている。
学生時代の友人・昔の同僚・ママ友とその子どもたちを自宅に招くのが好き。
子ども2人
女の子6歳・女の子5歳 活発でしっかりとしており、年子で仲良し姉妹。
〇プランのポイント
・女子3人の靴やご主人の趣味の荷物も収納できる、玄関からつながる大きな収納。
・家族の服を一括収納管理できる大きなWIC。
・子ども2人のお部屋ははんぶんこ
・広いLDKには畳コーナー、ソファーダイニングスペース、スタディーコーナー、スツールのおかれたカウンターキッチンと、その時の気分で各自が好きなところで好きなことができるので家族がゆるやかにつながり幸せを感じられるスペース。
〇テレワークスペース
・畳コーナー(寝室)奥のワークスペースは、かなりコンパクトだが、畳コーナーの引き戸をしめ、更にワークスペースの引き戸も閉めると完全に籠れるスペースなので、仕事に集中できる。書類関係も背面の棚に収納できるので、座ったまま書類を手に取れる。
・資料集め等の軽い仕事の時は、リビングにいる家族の気配を感じながら仕事ができるように、ワークスペースの引き戸と畳コーナーの引き戸を開けて仕事ができる。
〇ホッとスポット
夜は夫婦の寝室にもなるリビング内にもうけた多目的にも使える畳スペースは、休日の食後はゴロゴロしたり、本を読んだり、子どもとお昼寝をしたりできる。
いかがでしょうか?
窓のある浴室と洗面所、パイプスペース横のトイレの位置はどれも同じですが、キッチンの向きやカタチはそれぞれ違います。それ以外、壁の位置はほとんどが自由に変更でき、おもしろく、かつ現実的です。リノベーションに大きな可能性を感じていただけましたら幸いです。
実はこのプラン、実際に弊社のお客様が購入し、リノベーションされた間取りなんです。後日、そのお客様にインタビューをし、ホームページの「しあわせな家STORY~中古注文住宅実績~」にアップしますので、どうぞご期待ください。
今回はマンションリノベーションですが、一戸建の場合はもっと自由に間取り変更が可能です。戸建リノベーションのご相談もお気軽にどうぞ。
皆様からのお問い合わせを心よりお待ち申し上げております。
以上