間取りの制約を逆手にリビングにもキッチンを。
KOREAN MODERNな創意工夫のリノベーション

マンション
東京都稲城市 N様 中古マンションを大規模リノベーション 家族構成:ご夫婦 お子様2人 築年数:32年

子育ても一段落し、そろそろ定年退職後の暮らしを見据えて住み替えることにしたNさん。奥様は以前から家具がお好きで、日本で取り扱いのない家具をアメリカまで買い付けに行かれるほど、少しずつ集められた家具を大切にされて来ました。住み替えの予算から考えて中古マンション+リノベーションを選び、ちょうど手ごろな物件が見つかり購入しましたが、マンションの構造の特徴から家具が思うように入れられないことが判明、創意工夫を凝らしたマンションリノベーションが始まりました。

  • リフォーム担当 奥野 竣也
  • リフォーム担当 勝浦寛

マンションの間取り変更の難しさ。

RC造(鉄筋コンクリート造)のマンションには、ラーメン構造と壁式構造と大きく分けて2つのタイプがあります。
それぞれにメリットデメリットがありますが、Nさんが購入されたマンションは壁式構造という壁で建物を支える構造のため、基本的な壁が動かせず、間取り変更がほぼ出来ないないタイプでした。
「希望していた地域に良い物件が見つかって、さてリノベーションをしようとリフォーム会社に相談してみたところ、壁式構造は基本的な壁を撤去出来ないため、間取りを大幅には変えられないという事をはじめて知りました。リノベーションって自由に間取りを変える事ができるものと思っていたので‥」とNさん。 

「できない、とは言わずに一緒に考えてくれる。」

人生初のリフォーム。どこにお願いしたら良いのか分からず、マンションを購入した仲介業者からリフォーム会社を紹介してもらいました。ところが打ち合わせを重ねていくと、こちらの要望に、それはやめた方が良いですとばかり。希望していた一枚板のキッチンの天板もカットして2分割しないと入らないと言われてしまったり、ドイツ製の食洗機や洗濯機もやった事がないから分からない、高いからやめた方が良い、となかなかプランが進まなかったそう。
このままでは信頼関係が築けず、理想のリフォームが完成出来ないと判断し、希望を叶えてくれるリフォーム会社を探してみることにしました。
そこで、よく行くザ・コンランショップの入っている新宿OZONEの業者紹介サービスを活用してみることにしました。「OZONEで2社紹介してもらって、そのうちの1社がしあわせな家でした。」予算や希望など2社に同じ条件でプランを出してもらったというNさん。
1社目では提示した予算では1部屋しかリノベーションできないと言われてしまいました。
2社目のしあわせな家は私達の要望に対して”できない”とは言わず、どうしたら出来るか一緒に考えてくれて、気持ちに寄り添ってくれたんです。そこが決め手でした。」と奥様。

壁位置が変えられなくても出来る、ご希望に合わせたプランニング提案。

こちらのマンションは動かせない壁が多い壁式構造、図面を見比べてもほとんど構造的な間取りは変わっていませんが、印象はガラッと変わりました。お料理がお好きな奥様のご希望は広いキッチンスペースでしたが、既存の構造では3.5畳のキッチンスペースしかありませんでした。そこで技術営業の奥野が提案したのは、冷蔵庫を1台リビング側に出して新たに調理台を設置すること。
「目から鱗でした!冷蔵庫をリビングに出すなんて想像できなかったし、調理台があればキッチンの延長として広いスペースが確保出来きますし。冷蔵庫も2台あるので、1台はリビング側に出す事にして大正解。」と奥様。

広い調理台が自慢です。

お料理が好きな奥様、お友だちを招いて振舞うことも多いそう。「この調理台の広さにみんなびっくりするんです。お料理教室もできちゃいそうだねって言われたりします。」
調理台の天板は、リクシルのセラミックボード、奥様こだわりのセレクトです。「これすごく重いんですけど、うちのマンションにはエレベーターがなくて。奥野さんと勝浦さんが慎重に階段で搬入してくれたんです。分割する事なく一枚板のまま設置できて感謝です!セラミックなので専用の大理石を使わなくてもお菓子やパンの生地を練ったりすることも出来ます。熱に強く、熱い鍋をそのまま置くことも出来るし、傷も付きにくく、すごく便利。大量のキムチを漬けるのにも広い場所が必要なので、このスペースができて本当によかったです。」と奥様。

キッチンの開口部は普段オープンにして使い勝手よく、来客時には目隠しのれんとして、ポジャギ(韓国の伝統的な手工芸布)を掛けているそう。奥のキッチンは見えても美しいつくりで、キッチンパネルにはAICAの石目調デザインのものを採用、油汚れもさっと拭き取る事が出来る優れた機能性に奥様も絶賛です。
オープンラックの壁にはTOYO KITCHEN STYLEのデイジーを採用。「このタイルすごく気に入っています。朝日が当たるとキラキラ虹色に光るんですよ。」と奥様、このタイルは洗面と玄関にも使われていて、箱単位購入のタイルを無駄なく活用しています。冷蔵庫は鏡面デザインのものを選んで、空間が広く明るい印象になるようにしました。

こだわりのブラックキッチン周りのデザイン、韓国伝統的な手工芸布のポジャギが印象的です。

インテリアイメージは“Korean Vintage Modern”、個性的でありながら、落ち着いた雰囲気にまとまりました。キッチンはブラック、真っ黒ではなく艶感を抑えた表情のある深い色で上質感があります。合わせて床材もキッチンからリビングまで全て黒のフロアタイルに。印象的なクリスタルガラスのシャンデリアは、TOYO KITCHEN STYLEのもの。明かりをつけても消えている時も美しい佇まいです。窓のカーテン代わりにした韓国伝統的な手工芸布のポジャギが印象的、奥様のセンスが光ります。
あえて下がり天井にし、仕上げを深いウォールナット色にすることで、重くならずに引き締め色で周囲を引き立てています。

リビングのTVスペースにエコカラットの造作壁を設置、背景の壁紙を微妙にグレーに寄せています。

リビングで最初に決まったものはソファでした。ソファのグレーを基準にカラー設計を行いました。TVは造作壁をつくって壁掛けにして配線類は全て隠しています。造作壁の表面には脱臭・調湿効果のあるエコカラットを採用、お部屋の空気を快適に保ちます。造作壁の後ろの壁紙は、他と同じ白ではなく、少し造作壁のグレーに寄せて、うっすらとグレーがかった色にしました。TVを見るときに造作壁との馴染みが良くなり落ち着けるようにとの配慮です。

Pick Up

TV造作壁の背面に隠された
たっぷりの収納スペース。

TVの造作壁の背面は、既存の壁より少し手前設計し、裏側に棚をつくりました。中には本やCDなど細々としたものがすっきり収納できます。少し内側に入っているので、リビング正面側からは見えず、隠れた収納スペースになっています。
そして向かって右端に扉付きの収納スペースをつくり、ワークアウトの為のプロテインなどが入れられるようになっています。

既存図面を取り寄せてできることを徹底検証。寸法の厳しい家具も希望通り入れることができました。

Nさんが長年所有されて来た輸入家具の中には、こちらのマンションに入れるには寸法が厳しいものもありました。
「奥野さんは“できません”で終わらせないんですよね。管理事務所から既存の青焼き図面を取り寄せて、ここ少し削れるんじゃないか?とか、なんとか出来ないかとすごく考えてくれるんです。寝室の家具もギリギリで、壁を削って入れてくれたんです。鏡を取り付ける場所には予め壁を補強しておくなど、計画的に進めてくれました。」ベッドを置く位置もしっかり決めて間接照明付きのヘッドボードを設置、両側のスイッチも寝ていても手が届く位置に決めたそう。オーダーメイドの設計ですね。

Pick Up

床暖房がなくても冷たくない
石目調フロアタイルという選択のすすめ。

床材にもこだわりをお持ちの奥様、既存のフローリングをタイルにリフォームしたいと思っていました。
「タイルが素敵だなって思って、奥野さんに相談したところ、フロアタイルがお勧めですよと提案されました。石のタイルは重いので輸送費も高く、冬は冷えるので床暖房が必要。また、タイル職人不足などで、かなりコストが上がってしまいます。フロアタイルでもリアルな石のタイルのような雰囲気ですごくよかったです。」と奥様。
最近の建材はとても進化していて、石のタイルよりフロアタイルが主流。サイズも種類も豊富で機能性にも優れています。

寝室にワークスペースとWICをつくりました。

照明器具やカーテンのデザインが海外のお住まいのような素敵な寝室です。
窓際にご主人の在宅ワークスペースをつくりました。
また奥にあった既存のクローゼットは、II型のWIC(ウォークインクローゼット)に変更。内部の棚など流用できるところはそのまま使ってコストを抑えています。

家具みたいなMieleの洗濯機が美しい、洗面・ランドリースペース。

奥様がどうしても採用したかったというMieleの洗濯機、埋め込まれた家具のように見えるよう周囲に近似した素材で扉を造作、ため息が出るほど美しいランドリースペースが出来ました。既存では右奥にキッチンとつながる引き戸がありましたが、Nさん邸では壁をつくり、タオルレールと室内干し用のポールを設置。洗濯物がすぐに干せる動線がとても便利です。タオルレールやフック、ペーパーホルダーは洗練されたデザインが豊富に揃うKAWAJUNのものを採用。洗面・ランドリースペースは白で統一したことで、実際の面積より広く感じられ、すっきりと清潔感のあるスペースになりました。

Pick Up

老朽化した鉄の配管を撤去せずに
最新の配管に交換する裏技。

築32年ともなると、配管の老朽化が心配です。せっかく綺麗にリフォームしても、水漏れなどのトラブルが起これば床を外して配管の交換しなければなりません。
床を外して確認したところ、やはり鉄製の配管が入っていました。
鉄製は古くなると錆が出たり、つなぎ目から水漏れしたりトラブルになりがち、新しく交換する必要があります。
問題はどうやって交換するかです。しかもこの配管はコンクリートの中に埋めてあり、全てコンクリートを剥がして交換となると、とても費用がかかります。そこでご提案したのは、古い鉄管はそのまま残して、隣りに最新の樹脂製のものを設置する方法です。これで半永久的に安心です。
「今の配管の状況を写真で確認し、交換方法をわかりやすく説明してもらえて納得しました。リフォームした後にトラブルがあっては後悔し切れません。多少の費用はかかっても古い配管は全て交換する事が出来て本当によかったです。
うちのマンションは数年後に共有部分の配管交換工事が決まっています。
たまたまマンションの理事長と奥野さんが話す機会があって、リフォーム工事で床や壁を外したら内部の写真を見せて欲しいと依頼されたそうです。そこで奥野さんがマンションの理事長にも貴重な資料としてデータを送ったそうです。きっと今後の工事に役立つ事となるでしょう。」と奥様。

作家もののランプシェードとツートンカラーの壁紙が印象的なトイレスペース。

作家もののUFOランプシェードが印象的なトイレスペース、ツートンカラーに分けた壁紙にもひと工夫があります。白とグレーの境目に入れられたジョイナーがポイント、壁紙の境目が立体的に美しく仕上がっています。床はシンコールの柄物クッションフロアをセレクト、シックな色で大人可愛い雰囲気になりました。ガラスとステンレスの組み合わせが美しいペーパーホルダーは、KAWAJUNのものです。

照明にこだわった玄関スペース、廊下の床材はあえてウール100%のベージュ絨毯です。

「廊下が絨毯って良くないですか?各部屋の床材をフロアタイルにしたので、どこかに柔らかいところをつくりたかったんですよね。家に帰ってきて足触りが柔らかいと何かほっとするんですよ。汚れは大丈夫?など家族の意見もあって随分悩みましたけれど、結果大正解、お客様にも好評でとても良かったです。」と奥様。マンションなので暗くなりがちな玄関には大建の白いシューズクローゼットをフロートにして設置。扉に鏡があるだけで圧迫感も感じずむしろ広く見えます。足元は人感センサー付きの間接照明にしました。いつもは和箪笥の上のスタンドの灯りだけで落ち着いた雰囲気ですが、人が出入りする時にはパッと明るくなるので帰宅時にも快適です。

Pick Up

愛着ある家具に合わせた空間設計
コンセントも家具に合わせて設置しました。

このスペースは既存配管の関係の段差があり、そのままでは希望の家具が設置出来ませんでした。そこで既存図面の青焼きを調べて、何とか入れる方法を考えたそう。
「思い入れのある家具だから何とか入れたいと思いました。何度も打ち合わせしましたが、考えるのは楽しいんです。」と技術営業の奥野。
コンセントも全て家具やランプのサイズに合わせて位置を決めています。とことん家具に合わせた設計プランです。
手前の玄関収納のオープン部分の壁には、洗面台で使ったタイルをこちらにも使用。間接照明の反射でもキラキラ虹色に光って綺麗です。

「居心地良すぎてずっと家に居たくなります。」

体を鍛えるのがお好きなご主人、お料理を取り分ける奥様の側に立って、楽しみなご様子で出来上がるのを待っている姿が微笑ましいお二人です。
「実は奥野さんが息子と同じくらいの歳だと聞いて、まだお若いしお任せして大丈夫かな…って思ったんです。でもとても誠実で、現場で問題があってもきちんと状況を説明してくれて対処方法を提案してくれるし、資料の写真を送ると希望を察してくれて、こうしたいんですね、って理解してくれる。気が付けば何でも奥野さんに頼っていました。何より本当に一生懸命に私達の希望を叶えるために考えてくれて、二人三脚で進めて行く感覚で打ち合わせがとても楽しかったです。」と奥様。「本当に楽しかったですね、名残惜しい気持ちです。仕上がってお客様が喜んでくださる様子を見ると嬉しくて。」と奥野。まさに天職の人ですね。「希望通りの居心地の良い空間ができて、主人も私も家で過ごすのが大好きなんです。お客様もみんな居心地良過ぎてついつい長居しちゃう〜とおっしゃってくれるんですよ。」と奥様。取材に訪れた日、奥様がスタッフにもとっても美味しいキンパ(韓国風海苔巻き)を振舞ってくださいました。

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