兄と弟の丁度いい距離感。
「はんぶんこ」の子ども部屋

マンション
藤沢市 S様  中古マンションを中規模リノベーション  
家族構成:ご夫婦 お子様2人  築年数:17年

性格の違う兄と弟。面倒見のいいお兄ちゃんだけど、そろそろ自分の時間が欲しいお年頃。
「広い個室では自分の部屋から出て来なくなるから。」と、ひとつの部屋を兄弟で「はんぶんこ」。出入り口がリビングにつながる設計は、子どもを見守る親御さんの想いを形にしたもの。

  • 売買担当 津川 和之
  • リフォーム担当 望月 陽介

実現したい設計プランに合う物件探し。

リノベーションというと、物件を決めてから自分たち好みにどう変えるか考えるというイメージがありますが、Sさんは逆のケース。
手作りのコンセプトブックをお持ちくださったSさん、こんな暮らしがしたい!という想いをはっきり読み取ることができました。
「最初に出て来たラフプランが、想像を超えた方法で自分たちの要望を叶えてくれるもので、これを実現したい!って思いました。」とSさん。
このプランに合う物件を探そうということになりました。
候補物件が出るたびに、プランを当てはめてラフ案に起こして検証。Sさんの理想の暮らしのビジョンを担当者が共有することができていたから実現した方法でした。

ひとつの部屋をふた部屋使いする「はんぶんこ」。

「兄弟で性格がぜんぜん違うんです。それぞれのパーソナルスペースを確保してあげたくて。」と奥様。「広いと居心地がよ過ぎて部屋から出て来なくなるかもしれない。」と必要最小限のスペースでつくりたかったというご主人。
ベッドは空間を上下に使い、別空間の2段ベッドになっています。隔てる壁には天井とベッド下に10cmほどの隙間をつくって、空気が循環するように設計。
「ベッド下の隙間、ルンバが通るんです!」と奥様。想定外の嬉しい発見、あまりのルンバぴったりのサイズ感にびっくり。これでベッド下の掃除も完璧です。
クローゼット、机、ベッド、すべて大工さんによる造作。
「扉があると子どもが自分で仕舞わないから。」とクローゼットはあえてオープンに。上のベッドへは、梯子ではなく、クライミングウォールを上ります。

S さん家には大切なルールがあります。
家族をつなぐリビング空間。

入り口の壁につくった棚は携帯電話の充電スペース。自分の部屋に入るときには必ずここに携帯電話を置きます。「自分の部屋には携帯電話を持ち込まない」Sさん家の大切なルールです。出入り口は玄関側にすることもできたけれど、あえてリビング側に。
「学校から帰ってきて、必ず家族の誰かの居る場所を通って部屋に入るように。」子どもの成長過程をしっかり見守れるように、親御さんの想いがあふれる構造ですね。

Pick Up

「しあわせな家をつくってください」
みんなの気持ち、大工さんに届け!

壊す前の壁に家族みんなで「しあわせな家をつくってください!」って書きました。Sさんから大工さん宛のメッセージです。
実は4年前のお客様が、これからお世話になる大工さんへメッセージを残そうと、壊す前の壁にそっと書き残してくれたのが始まりでした。このエピソードはその後のお客様にも伝わって、いまも続いています。
これを見たら大工さんも気合が入りますね。もしかしたら一度も顔を合わすことがないかもしれない施主さんと大工さんが、メッセージを通してつながっているって素敵です。

欲しかった壁一面の本棚。
リビングの扉を無くして部屋の中へ。

もとは和室があった入り口のスペース。リビングとの間の扉は無くして、壁の本棚もリビングの一部になるように設計。広い空間使いができました。
本棚の奥行きは弟さんの部屋を狭くしないよう、検討に検討を重ねた絶妙なサイズ感に。
リビング奥の壁は紺色のアクセントクロスに。空間が締まって、TVコーナーも素敵にまとまります。本棚背面のクロスも同じ紺色で統一、リビングに入ってくるときの視線も計算したデザインです。

吊り戸棚を外して、開口部を大きく。
家族と対面できるキッチンになりました。

予算配分の中心は子ども部屋。
「あとは出来るだけ節約したいので、キッチンでこだわったのは、浄水器と掃除しやすい換気扇くらい。」という奥様。
もとの設備は使えなかったので、シンプルな白いキッチンを選びました。
設計前に収納量を確認し、Sさん邸のキッチン収納は、そんなに多くは必要ないことが分かりました。
もともとシンク上にあった、吊り戸棚は無くして、開口部の広いセミオープンキッチンに。カウンターは大工さん手づくりの造作。リビングとつながって視界も広くなり、キッチン内も明るくなりました。

本を読んだり、ゲームをしたり、
ゴロンとくつろげるタタミコーナー。

くつろぎの場所として、タタミも欲しいというご要望。ここは既製品の収納付きタタミコーナーの利用をおすすめしました。造作するよりコストダウンできるし、置いてあるだけなので、いつでも外せます。
「はんぶんこ」の壁のラインですっきり納まったコーナー。造作に見えてしまうほどの精度です。設計段階から設置を想定していたので、ピッタリサイズで納めることができました。

玄関に飾り棚とかわいい小窓。
黄色い壁がメキシコ雑貨をまとめています。

海外赴任で暮らしていたメキシコのものを飾りたかったので、壁は黄色い壁紙に。壁紙屋さんのショールームに行ったり、サンプルを取り寄せたり、かなりこだわって選んだ黄色。鮮やかな色のメキシコ雑貨とマッチしていますね。
収納は無印良品のラックを選択。設計段階からこれを置くことに決めていたので、固定できるよう壁に補強を入れ、小窓の位置もラックに合わせて決めています。この小窓は、玄関から子ども部屋を通りリビングへ風が通り抜けるように換気を考えての設置。玄関も明るくなり、デザイン的にもいいアクセントになっています。

家族の距離を大事にしたコンセプト。

自分の部屋がずっと欲しかったというお兄ちゃん。自分だけの空間ができて本当に嬉しいと言います。でも高校は寮のあるところに行く予定、兄弟一緒の時間は限られています。ひとりの時間がつくれて弟さんの様子もわかる「はんぶんこ」の部屋、そんな距離感が丁度いい感じ。
将来また海外に赴任することになるかもしれない職業柄、家族一緒の時間を大事にしたい。それぞれが持っているパーソナルスペースを大事にしながらも、それをつないで家族のいい距離感を保つSさんの家づくり。そのコンセプトに脱帽ですね。

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